Sweet-pea’s diaryー大人になった先天性心疾患のブログー

大人になった先天性心疾患を持つ私が、あの頃(16~20歳頃)見つけたかったブログを書いています。どなたかの参考になりますように。PC版カテゴリのはじめにからご覧ください♬

私と声⑳〜大切な何か〜

私と声。

 

手術やリハビリを受ける前は、声の事で困らない日はないくらい、日常の生活は支障だらけでした。

 

私の声は、今も、出し易い日もあれば、出し難い日もあります。でも、出し難い日でも、それなりに、発声の仕方でコントロール出来るようになりました。そして、普通の人には当たり前の感覚かもしれませんが、声を造ろうと意識せずとも、無意識に会話を楽しむことが出来る様になりました。喉に力を入れすぎないお腹からの発声は、今でも、時々リハビリがてら練習しています。一生無理だと思っていた歌も、あの頃に比べて、ずいぶん色々な曲を歌える様になりました。歌を歌うのはいいリハビリです。

 

リハビリの可能性は無限大で。進行性の疾患などもあるので簡単に“無限大”と言っていいのか分かりませんが、でも、希望はリハビリの中に必ずあります。

そう、私は信じています。

 

声の事をテーマに書き始めて、これは、長くなるだろうな。と思って1つずつ書いてきました。今回の記事で20話目、本当に長くなりました。それだけ、私の中で大きな出来事だったのだと思います。私は、リハビリで声が出せる様になったその日に、1つだけ、自分の心に誓った事がありました。

 

それは、

 

『これから、どんなに声が出し易くなって生活が楽になっていったとしても、

声が出なくて不自由だった6年間の日々の事を。

当たり前の事が当たり前に出来ないその感覚を。

一生忘れない様にしよう。』

 

という事です。

 

この経験から何を学んだのか。

上手く文章に出来ませんが、

この経験が全てで。

 

当たり前の事が出来なくなるという事。

その人にしか分からない、分かり得ない困り事や思いがあると言う事。

それを100%言葉で説明するのは難しいと言う事。

 

声が出なかった日々を忘れない様にすると言う事は、そういった大切な“何か”を大事に持ち続ける事なのかもしれません。そして、目の前にいる誰かに、そっと寄り添える優しさを、持ち続けられたらいいなと思います。

 

今回、こうして忘れたく無いその日々を、記録に残せて良かったです。

最後まで読んでくださった皆様、ありがとうございました。

 

〜『私と声』まとめ〜

私と声①

私と声②~手術前夜~

私と声③~声帯が麻痺した日~

私と声④~食事を再開~

私と声⑤〜退院日の不安〜

私と声⑥ 〜担任の先生〜

私と声⑦ 〜優しさか好奇心か〜

私と声⑧~陰口と優しい存在~

私と声⑨~音楽の力~

本人にしか分からない毎日の困り事〜私と声⑩〜

病気のイメージ 〜私と声⑪〜

医師からの説明(反回神経麻痺・手術)〜私と声⑫〜

私と声⑬~手術の説明を聞いて~

私と声⑭〜入院前夜とにかく嬉しかった事〜

私と声 ⑮ 〜(BIOPEX)手術前夜〜

私と声⑯ 〜手術当日の心持ち〜

私と声⑰ 〜良くなりたい・術後の外来〜

私と声⑱〜リハビリ〜

私と声⑲〜声の改善~

 

おしまい。