Sweet-pea’s diaryー大人になった先天性心疾患のブログー

大人になった先天性心疾患を持つ私が、あの頃(16~20歳頃)見つけたかったブログを書いています。どなたかの参考になりますように。PC版カテゴリのはじめにからご覧ください♬

私と声⑰ 〜良くなりたい・術後の外来〜

手術後 外来での診察

 

術後何週目だったか覚えていませんが、術後初めての外来診察のお話です。まず、びっくりした事。なんと主治医が変わっていました。何がどうなったのか分かりませんが、主治医兼執刀医であった先生は移動されたらしく、新しくお会いした、以前の先生より少し若めの先生が、主治医となりました。

 

前の先生は寡黙な先生でしたが、今度の先生はサービストークが弾む明るい先生でした。

理学療法士になるの?じゃあ、是非うちで働いてよ〜!!一緒に働こうよ〜。」

といった具合です♬

 

そして、術後外来初のファイバースコープ

主治医の先生の他に、2−3人の先生が見学にきます。管を鼻から通されて自然に涙がこぼれます。私は、この検査、反射的にだと思うのですが、絶対に涙がポロポロ溢れちゃうんですよね。先生に気を使わせちゃって申し訳ないのだけれど。見学していた女医さんが、

「先生、若い女の子を泣かせないで下さいよ〜」

と場を和ませる為の(余計な)一言を放ちます。

嘘です。私の方こそ一言余計ですね(笑)。

 

スコープが声帯まで到着すると、私は、先生の指示のままに、

「あーーーーー」と言う声を発声します。

『今度は高い声で〜』とか、『低い声で〜』とか。先生はそんな感じで指示を出します。

すると、周りの先生たちから

「お〜〜」とか

「すご〜〜い」とか

静かな歓声が沸きました。

 

検査が終わり、私と先生方とで、今撮った声帯の動きの動画を再生して検証します。

高い声を出す時も、低い声を出す時も、左の声帯は動かないものの(麻痺しているから)、右の声帯が閉じるだけで、左右の隙間はぴったりと閉じている事が確認出来ました。手術結果は文句のない大成功でした。執刀医の先生に本当に感謝です。直接お礼を言えないのが残念な限りでした。主治医の先生も、「左反回神経の完全麻痺で、ここまで声が出るようになった人は、なかなかいないですよ。」と笑いかけてくれました。

 

めでたし。めでたし・・・・。

 

と、綺麗にはいかなくて。

確かに、声の質はだいぶ改善していたし、日常の会話程度であれば、問題なく声が続きました。でも私には少し引っかかる事がありました。私の声は、まだ、無意識に出せると言う感覚ではなくて、いい声を出そうと常に意識して話さなければいけないし、そうすると、しばらく話している内に喉のあたりが詰まるような、苦しくなってくるような。そして、長い文章などを読んでいると、より喉が苦しくなって、途中で変な声になってしまう。そんな違和感が残りました。

 

贅沢は言ってはいけないと、この日の外来ではその事を伝えなかった私ですが、

ここまで頑張ったんだから、せっかくならば、貪欲に良くなりたい。

この日から、しばらくずっと何でかなって考えていました。

 

「声帯の構造的な状態は、正常に近い形に完璧に整っていた。

発声の阻害因子となる、両方の声帯のひだの隙間もなかった。

じゃあ、なんで、声の出し辛さは残ってしまっているんだろう・・。」

 

そんな時、学校でのある理学療法の授業で、

『同じ疾患名の人でも、その人の辿って来た道や生活の状態で、抱えている問題点は1人1人違う。よって、目の前の人をしっかりと評価して、治療法、リハビリ内容も1人1人に適したものを立案しなければならない。』

という事を習いました。

例えば、変形性膝関節症と診断されて、膝の痛みを訴えている2人の患者さん。

最近痛くなり始めてすぐに病院に来た人と、数年前から痛くてそれを我慢ながらしばらく生活して来た人とでは、筋肉の使い方や、筋肉の柔軟性、関節の柔軟性、歩き方の癖。が全然違います。後者では、変形した関節で歩く独自の癖がついている為、もし人工関節なんかを入れる手術をして、関節の構造的な状態が改善したとしても、正しい歩き方を再び学習する為のリハビリをしてあげなければいけない。新たに体内に入れた人工関節を、自分の膝として認識して、使いこなす練習をしなければいけない。そんな、内容だったと思います。

 

この授業を聞いてハッと気づきました。

私は、新しい以前より高機能の声帯を手に入れたけど、

そうでなかった6年間で培った、発声の仕方の独自の癖はそのままで、

まだ新しい声帯を使いこなせていないのかもしれないって。

 

何十万とする良い楽器を買ってもらったのに、まだ技術がなくて使いこなせていない。

みたいな。(伝わるかな・・・)

 

そこで、私はまず理学療法士である担任の先生に、そんな話をチラッ相談してみました。そしたら先生は、

「ST(言語聴覚士)さんのリハビリ受けてみれば良いじゃ〜ん。主治医の先生にそれとなく言ってみれば?」

と背中を後押ししてくれました。

 

そこから先は、トントン拍子で。

次の外来診察の時に、リハビリを受けてみたい旨を先生に伝えたら、

「良いじゃん。良いじゃん。」と、すぐにリハビリの指示書を書いてくれて。

その日に、STさんのリハビリの予約を取る事が出来ました。

 

このSTさんとの出会いで、6年間苦しんできた私のQOLは、グングンと向上するのでした。

その様子は、また次回。

 

読んで下さった方、ありがとうございます。

 

つづく。