Sweet-pea’s diaryー大人になった先天性心疾患のブログー

大人になった先天性心疾患を持つ私が、あの頃(16~20歳頃)見つけたかったブログを書いています。どなたかの参考になりますように。PC版カテゴリのはじめにからご覧ください♬

私と声⑲〜声の改善~

 

リハビリ2日目 

 ST室に入った私は、STの先生と向かい合わせに座ります。2日目の最初は、前回の評価結果から、なぜ、声帯の構造事態は良くなったのに、声の自覚的な出し辛さや、喉の違和感、長い時間話続けられないなどの症状が出てしまっているのか。STさんか説明してくれました。

 

過緊張性発声

 私は、反回神経麻痺になり6年もの間、片方の声帯が麻痺したそのままで日常生活を過ごしてきました。それでも、声を出さないことには、色々な場面に支障が出ます。すると、身体は自然に代償動作という働きが出現します。代償動作とは、失ったある部分の機能を、他の残存している機能で補ってあげる動作のことです。私の場合は、動かない方の声帯をカバーするために、普通は働かなくて良いはずの喉周囲の筋肉達が、その機能を補うように働き、声を出していたようです。もちろん無意識的にです。そして、6年もの間に、それがすっかり癖となり、身体に染みついてしまい、声帯の手術をした後も、その正常動作から逸脱した発声方法で声を出していたのです。喉周囲の筋肉をキッと締めて、喉を固くして話していた私。話す際の喉の違和感や、持久性のなさはそのせいではないか。という見解でした。

 

リハビリプログラム

 頭の中で理論が分かっても、身体に染みついた習慣を変えるには、練習して身体で正しい発声方法を再学習するのみです。私の言語リハビリは、いかに喉に余計な力を入れずにお腹から声を出すか。という所に的を絞って行われました。リハビリというより、ボイストレーニング、“ボイトレ”と言ったほうがイメージし易いかもしれません。人前で、大きな口で、大きな声を出すことは、少し抵抗があったし恥ずかしさもありました。しかも、その頃のST室は、防音では無いし、隣の部屋や、廊下に声が丸聞こえなんです(笑)。でも、良くなりたい気持ちは誰より負けなかった私。まずは、羞恥心を捨てること決め、先生の言った通りに大声を響かせました。まだ覚えています。最初に羞恥心を捨てて大声で叫んだ一言。

 

「青いう〜み〜〜〜」

 

青い海。なんで青い海?母音が多いからかな。一生忘れないフレーズです。

 

リハビリの内容は、

① 最初は口を閉じて「ンーーー」というハミングから初めて、

② ハミングから口を開いて、「あーーーーー」という発声にします。ハミングから始めると、喉に余計な力を入れずに発声できるみたい。

③ そこからの『青い海』。とか、色々指定された文章をゆっくりとスローモーションでなるべく部屋中に響き渡るように発声させます。

④ 喉の力を抜いたお腹からの発声に慣れて来てから、1ヶ月後くらいかな。。文章を読む練習に移りました。

 

ゴール

 リハビリは1ヶ月に1、2回。あとは自主トレ。3ヶ月ほどで、私の声は変化し、日常会話ならば、声を出すことをほとんど意識せずとも出せるようになって、文章も朗読できるようになり、10分間の症例報告の発表原稿も、途中で喉が痛くなったり、声が出なくなったりすることなく、安定して話せるようになりました!

 

これは、文章に出来ないほどの感動です。

もう一生無理だと思っていた声が、6年越しで、また自分でコントロール出来る様になった♡

元の声に戻ったわけじゃ無いけど、とても嬉しい出来事でした。

腕利きのSTさんと、自分の努力に・・・、感謝です。

 

その辺り、もう少し書きたい事があるので、つづきます。

読んでくださっている方、何かの参考になれば幸いです。

 

続く。