Sweet-pea’s diaryー大人になった先天性心疾患のブログー

大人になった先天性心疾患を持つ私が、あの頃(16~20歳頃)見つけたかったブログを書いています。どなたかの参考になりますように。PC版カテゴリのはじめにからご覧ください♬

狼の皮を被った子羊

最近の息子は落ち着いている。

薬を調整してから、一度も大癇癪や、パニックを起こしていないし、怖い暴言も言わなくなった。怒ったり、嫌なことがあった時、私の顔を叩いたり、蹴ったり、噛み付いたりする事が日に何度もあったのが嘘みたいに、薬を飲む様になってからは、暴力は無くなった。怒っても楽しくても興奮していて、夜になっても寝れなかった息子が、時間になるとすんなり寝てくれる。ママと落ち着いて会話を楽しむ事が増えたし、遊びと言えば激し目の戦いごっこばかりだった息子が、1人で図鑑を眺めてニコニコしていたり、レゴブロックで遊んでみたり。遊びの幅も広がった。

 

何より、毎日いつも目をキッとさせて怒っていた息子が、落ち着いて、ニコニコと、楽しそうに笑っている姿が多くなった。本人が一番、毎日を過ごす事が楽になったんじゃ無いかなって思う。うちの子、感情のコントロールさえ出来れば、こんなにいい子だったんだな。と思う場面が沢山出てきた。それに伴って、私の子育てにも余裕が出来て。親子関係も良くなって。我が家の非常事態宣言は解除された模様です。

 

久しぶりの歯医者

そんな中、今日は久しぶりの歯医者だった。

保育園に迎えに行くと、「歯医者さん行かない!!」と久しぶりに降園拒否。しばらく説得して、何とか息子を自転車に乗せた。嫌な事があっても、手が出なくなったのは、すごい進歩だと思う。それでも、ずっと、「やりたく無い!帰りたい!」と、ものすごく怖がっている息子。私は、歯医者さんに着くまで、自転車を漕ぎながら、しばらく何て声をかけようか考えた。

「今日は絶対痛いことしないから大丈夫」とか?

「先生たち優しいから絶対怖くないよ」とか?

こうして、私が余裕を持って落ち着いて考えられるのも、息子が大癇癪やパニックをおこしたり、暴言や暴力を言わないからだろう。そして、何となく、前回自分で書いたブログの内容を思い出して、「息子にしか分からない怖さがあるんだよな。」とふと思って。歯医者さんが好きな子供なんていないだろうけど、息子にとっては、歯医者さんの音も、ライトで顔を照らされる光も、口の中を触られる事も、感覚過敏の辛さが想像以上にあるんだろうな。私には体験したことがない、息子なりの恐怖があるんだろうな。と、息子の心を想像してみた。そうしている内に、歯医者さんに到着して。息子を自転車から降ろしながら、

「久しぶりだし、怖いよね〜。◯◯にしか分からない怖さがあるんだよね。」

「怖い時はママが守るね。」

と、思ったことをそのまま言ってみた。

そして、手をしっかり繋いだまま、診察に臨んだ。途中、お口を手で塞いだり、嫌がったりもしたけれど、怖くて涙を流しながらお口を開けていたけれど、何とか最後まで、怖さを怒りにして他人にぶつける事なく(先生をぶたなかったという事)、乗り越えることが出来た。本当に、最近の息子は、よく頑張っているなと思う。

 

薬局にて

  こんな事もあった。

その日は、私がクリニックの受診をして、その足で息子を保育園に迎えに行き、子連れで薬を取りに薬局へ行った。処方箋を薬剤師さんに出してから、併設しているドラックストアで、子供にお菓子を1つ買ってあげた。薬局は混んでいて、しばらく時間がかかった。座って待つ事が苦手な息子。それでも頑張って一緒に待ってくれていて、しばらくして、私の名前が呼ばれると。「やっと呼ばれたよ〜。僕早くお家帰りたかったんだよ〜♡」と微笑む息子。しかし、ちょっとしたトラブルがあって、もう少し待たなければいけなくなった。流石に、これ以上待つのは息子も限界だろう。と思った私は、もう少し待たなければならなくなった事を息子に説明して、「さっき買ったお菓子食べながら待ってていいよ。」と言った。そうでもしないと、待てないと思ったから。すると息子は、「外でお菓子を食べちゃいけないんだよ。お家に帰って夜ご飯食べてからだよ。」と、私に言い、また椅子にちょこんと座った。これには驚いた!うちの息子、こんなにいい子だったっけ!? 親と子が反対だ(笑)

 

遊びの場面にて

  こんな事もあった。

息子がiPadでゲームをしていて、敵に負けてしまった時。

「悔し〜〜!!!」と一言叫んだ。これも、普通に見えて実はすごい進歩だ。前だったら、ゲームに失敗したその瞬間に、iPadを投げるか、画面を叩くかして、そこからママに襲いかかって来て、大癇癪。それが、自分の気持ちを言葉で表現して発散させた事。素晴らしい。他にも、保育園の先生から聞いた話では、お友達と喧嘩になりそうになって、その時、片手に持っていたブロックを握り締めながら先生に、「僕はこれを投げたい。」と、実際に投げるのは我慢しながら、自分の気持ちを言葉にしたそう。以前だったら、言葉より先にブロックを投げていただろう。先生は、「そうか!投げたいほど怒っているんだね。わかったよ、でも投げるのはやめとこうか。」と言ったそう。偉いな。

 

夫婦喧嘩にて

  こんな事もあった。

夫婦喧嘩というか、私が忙しくてイライラしていて、休みの日に遊びに行く夫に、色んな文句を言っていたのを見ていた息子。夫が出かけた直後、息子が私の側に来て、「ママ、パパにもっと優しい言葉を使わなきゃ、もうパパ一生お家に帰ってこなくなっちゃうよ。優しい言葉を使ってお話しなきゃダメだよ。」と。これにはびっくりして思わず笑ってしまった。こんな事を息子から言われる日が来るとは。『そうだね、教えてくれてありがとう』と息子を抱きしめた。息子のおかげで、帰って来た夫に優しく出来た。

 

全部伝わっていたんだな

  息子が最近言い始めた色んな言葉。それらは、いつだったか、私や周りの大人が息子に伝えていた言葉でした。「お菓子はお家に帰って、ごはんを食べてからだよ。」とか、ゲームに負けた時、こういう時は、物や人に当たらずに、「僕は悔しいんだ」と言ったらどう?とか。もし、物を投げたくなったら「僕はこれを投げたいほど怒っているんだ!」って言ってみれば?とか。「もっと優しい言葉を使わなきゃお友達は離れていっちゃうよ。お友達と遊びたいと思うなら、優しい言葉を使ってごらん。」とか。

 

癇癪を起こしているその瞬間は、言っても余計にパニックになってしまったり、私の声なんて届いていないんじゃないかとも思っていた。聞こえていたとしても、どこまで理解しているのかも分からなかった。それでも、言い続けた言葉は、ちゃんと息子の耳に届いていた。あんなに怒っている最中に言われた事も、しっかりと覚えていてくれてた。それが、最近になって分かって。胸がジーーンとした今日この頃です。いつにも増して、息子が可愛くて愛しく思います。

 

息子は、恐い言葉を使ったり、他害があったりしたけれど、

こんなにも優しく賢い内面を隠し持っていたのだと再確認することが出来ました。

薬の助けで、息子のQOLは向上しました。

薬でもなんでも、上手に適切に頼るって大事ですね。

 

という事で、今日のまとめ。

☆息子は狼の皮を被った優しい子羊でした☆

 

ただ、私が調子に乗って、息子のいい所ばかり言う事で、

息子にいい子であろうと無理をさせ過ぎない様にしよう。

時々、狼になってもいいよ。あなたらしくて。

というスタンスでいこうと思います。

 

おしまい。