Sweet-pea’s diaryー大人になった先天性心疾患のブログー

大人になった先天性心疾患を持つ私が、あの頃(16~20歳頃)見つけたかったブログを書いています。どなたかの参考になりますように。PC版カテゴリのはじめにからご覧ください♬

私と声④~食事を再開~

 

食事を再開

 

2週間の絶食を終えた私は、少しずつ、食事を再開していきます。

最初に出されたのは、ドロドロのミキサー食(流動食)。

マックシェイクのような形状の食事で、ストローで食べます。

いや・・、飲みます。か。

 

それが、手術後の、私の最初の食事でした。

 

今までだったら考えられない見た目と食感の食事ですが、この時の私には涙が出るほど美味しくて、その感動は鮮明に覚えています。食べれる事、食べ物を飲み込める事の喜び。そんな事、それまで考えた事もありませんでした。そのせいかどうか、分かりませんが、私は人より美味しいの閾値が低いらしく、すぐに、「美味しい~♪」と唸ってしまうので、味覚音痴とか、また言ってるよ、幸せな人だね~。とか、周りの人に言われます。幸せなことです。

 

声帯が片方麻痺すると、飲み込みやすいものと、飲み込みに失敗してむせやすいものがあります。ドロっとしたとろみがついている食べ物は飲み込みやすくて、水などサラサラしている飲み物は失敗しやすい。だから、ストローで飲む流動食から、スプーンで食べるおかゆや、ドロッとしたスープ食になり、だんだんと固形の食形態へと、慣らしていきました。一般の人と同じ常食になってからも、お味噌汁や、お茶などの液体には、トロミをつける粉をいれて、トロっとさせてから飲んでいました。

 

退院する頃には、トロミをつけなくても、お水やお茶などの飲み物も飲めるようになりましたが、時々失敗してむせてしまうのが怖いです。よくある、ちょっとしたむせ込みではなく、1、2分呼吸困難になる程のむせ込みで、飲み込んだお茶も咳とともに吐き出しちゃうし、涙はボロボロでてくるし、苦しいし、恥ずかしいし。

 

誤嚥する(飲み込みに失敗し食べ物が気管に入ってしまう)と、そんな風になります。

 

この時、思ったのは、私はもう、夏の暑い日に、ギンギンに冷えたジュースやカルピスを、一気にぐびぐび飲めないのかなぁ。と、ちょっと切なくなりました。外で誤嚥したら大変だから、一口一口、気を付けながら、慎重に、飲んでいました。今では、ほとんど自然に飲む事が出来ています。それでも、3か月に1回くらいは激しく誤嚥するので、外で飲み物を飲む時には、注意して飲んでいます。

 

この様に、少し大変だったけど・・・、

2週間の絶食と、その後の飲み込むリハビリの経験から、

私は、食べる事の幸せを知る事ができたのであります。

 

食べれるという事自体が幸せで、その上、少しでも美味しかったら、それはもう超幸せです♡

 

つづく。