「13歳」大人への移行期に感じた事を書き始めてみました。顔はまだあどけなくても、少しずつ大人の体に変化してきていて、心も多感な時期。ずっと子供時代からの延長ではなくて、あるところからそれを大人が気づいてあげて、適切な配慮をしてあげて欲しいなと思います。という事で、今日は、レントゲン検査のお話し。
結論から書くと、
女の子にはある程度の年頃になったら、検査着を用意するなり、持参した無地のTシャツや、肌着などのを着てる状態で検査をしてあげて欲しいなと思います。大人の検査だったら当たり前の配慮ですが・・・。
(最近の病院はちゃんとそうしてくれているのかな・・。そうだといいな。)
これは、20年前の、一昔前の、私のお話です。
子供の頃のレントゲン検査は、小児レントゲン室で上半身裸で行います。名前を呼ばれたら、手前の更衣室に入って、「上半身裸になって、名前呼ばれるまで待っててね」と検査技師さんに言われて、名前を呼ばれたら、扉を開けて検査室に入室します。物心ついた頃から、やっているルーチンワークなので、こちらも慣れたもので、何の違和感もなく毎年毎年検査をこなしていました。
あれは何歳くらいだったか、はっきりは覚えていません。ある時期から、それまで何とも思わなかった、上半身裸で検査室に入室する事に、少しの違和感を感じるようになりました。まだ、「男の人に胸を見られるのが恥ずかしい」と言うはっきりとした理由ではなく、最初は、「なんとなく嫌」という感覚でした。なんとなくなので、すごく嫌な訳でもなく、そもそも上半身裸になるのがこの検査の当たり前だと思ってきているので、なんとなく嫌だなと感じる自分の方が、いけない事の様な気もしてました。
「なんとなく嫌だな」と思う感覚は、あれに似ているかも!ある日突然、お父さんと一緒にお風呂に入るのが嫌になる感覚!私は小さい頃は父とお風呂に入って、色んな話をしたり、父とのお風呂タイムを結構楽しく過ごしていました。けれど、体のはっきりとした変化が出るより先に、ある時急に、父とお風呂に入るのが嫌になったのです。それで、台所で料理をしているお母さんに、こっそりと、「私もうお父さんとお風呂入りたくない。」と伝え、その日以来、お父さんとお風呂に入ることは無くなりました。娘の女性としての自然な成長の過程なんだと思います。性への自覚というのか。そういうのが、自然に出てくるのかなと思います。
話を戻して、
これと同じような感覚で、ある時から、上半身裸で、男性の検査技師さんが待つ検査室に入っていくのに、ちょっとした違和感を抱くようになりました。この違和感は徐々に増してきて、中学生くらいでしょうか。はっきりと胸が膨らんできてからは、検査室に入室するときに、両腕を胸の前で組む様にして胸元を隠してみたりしていました。でも、いや、意識しすぎる私がおかしいのか!と思い、逆に何も隠さずに、堂々と入室した事もありました。恥じらいを持って隠すのが正解か、どうせ検査するときは隠せないんだし最初から隠さずに堂々と入室するのが正解か。当時の私はその2択で毎回迷っていました。
でも、迷う所そこじゃないよなぁと今だったら思います。
解決策は簡単です。
「検査着下さい。」と言って、検査着を用意してもらうか、
子供用の検査着がないのなら、“無地のTシャツ”を着ていくなり、用意していくなりするか。
ただ私は、これは、生まれた時からずっとそうしていたから、レントゲンと言えば、上半身裸で検査室に入っていくのが当たり前だと思っていたのです。検査技師さんはほぼ毎回男性だけど、相手はプロの医療者だし、そういうもんだと思っていました。誰も、“検査着”という存在を教えてくれなかったし、“無地のTシャツ”を着ていけば、中の下着だけ外せばそのまま検査ができるなんて、知りませんでした。
誰か、当時の私に教えてあげて〜。
検査着とういものの存在や、
裸にならなくても検査は受けれることを。
「あなたももう年頃なんだから、無地のTシャツ着てきな。そしたらそのままレントゲン受けれるよ」
って娘に教えてあげて〜。
検査技師さん「これどうぞ。」って当たり前にように検査着を渡してあげて〜。
と、当時の私と周囲の大人たちへ、今の私からのメッセージ。
そして、これは先天性心疾患の患者が、小児からそのまま成人へ移行していく過程の問題でもあるのかなと思います。
いつまでも小児の延長ではないし、その一番多感な、大人への移行期の外面・内面の変化に、周りが気づいてあげれるかどうか・・・。
子供にも当たり前の配慮を。
(こんなの一昔前の話で、今は全然違うよーって声が多いといいなと思います。)
おしまい。