こんにちは。
前回の記事で「先天性心疾患と性」について書きました。
内容が内容だけに、書き上げた後、ブログの公開ボタンを押すのに少し勇気が入りました。でも沢山の方から感想を頂けて、書いて良かったなと思えました。読んで下さった方、感想をくれた方、広めてくれた方、皆さんありがとうございます。
さて、今日はあの記事に少し関わる事を・・・。
"病気のカミングアウト"について。
前回の記事で私は、
「病気の事って話しにくいけど、大切な恋人にはちゃんと説明できるといいですね。」
と書きました。一行でさらっと簡単に書きました。
でも、
それを、どうしていいのか分からなくて、悩んでいる方も沢山いらっしゃるんですよね。病気の事を打ち明ける怖さ。受け入れてくれるのだろうかという不安。その不安に打ち勝って自分のことを語るには、勇気も必要。
どのタイミングで打ち明けたら、
どのように説明したら、
理解してもらえるのか。
悩みはつきないと思います。
相手の人柄や、寛容さとか、包容力とか。
いわゆる『器の大きさ』みたいなものも人それぞれです。自分の病気にまつわる事を相手に伝えるタイミングや方法に、正解はないかもしれません。
だから、いつもながらですが、私がどうしていたのか。思い出して書いてみます。その時の年齢によっても、伝える内容が変わって来たように思います。参考になるか分かりませんが、しばし私の思い出話にお付き合い下さい。
E君 高1( 初めての彼氏?)
中学が同じだったE君。私が手術したのは中1の夏で、その年の1年は、お休みや半日登校が多かったし、術後の合併症で実用的な声はほとんど出せなかった1年でした。こんな時期を同じ空間で過ごしていたE君は、「私の病気の事を自然に知ってくれているだろう。」と当時の私は勝手に思っていました。付き合う前も、後も、自分からあえて病気の事を話題に出す事はありませんでした。説明した事もありません。それもあってか、なくてか、分かりませんが・・・、精神的に深い絆が出来ることもなく、一緒にいる意味ももはや見出せず、あっという間に別れました。
ひと夏の苦い思い出(笑)
今思うと、
入院、手術、術後の生活。
私は自分が経験した事だから深く記憶に刻まれているけど、クラスメイトと言うだけで、ちゃんと分かってくれてるんだろうなぁと思ったのは、私の希望的観測で、実際には、なんとなく、なんとなーくしか知らなかったのかもしれません。
「そういえば、中1の時になんか手術とかで、ちょっと休んでたっけ?」
くらいな感じで。
健康で、健康不安がある方が身近にいないような、病気とは縁遠い人は、
"病気は手術をしたら完治する"
と考えるのが自然かもしれません。
"今も、これから先も、現在進行形で病気と付き合っていく"
という捉え方をするのは難しいかもしれない。
「昔手術してた女の子。」って、
病気に対しては完了形の捉え方だったのかもしれない。
私は、きちんと説明していなかったから。
E君とはその後接点はないので、本当のところは分かりません。付き合った人にカウントするべきかせぬべきか、未だ分からないE君。私の知らない遠くの世界で、幸せに暮らしているといいなと思います。
~まとめ~
はじめて付き合ったであろう異性には、自分の病気のことは一切話していませんでした。
(こんな感じで、過去の恋愛と自分の病気にまつわる事を少しずつ思い出しながら書いてみようと思います。)
つづく。
↓
話は変わりますが、
(実はそんなに変わりませんが…、)
今読んでいる医学書の本に、こんな話が載っていました。
PTSD(心的外傷後ストレス障害)の患者さんが、他の症状を訴えて病院を訪れた場合について書かれていたものです。
"患者は(自分にまつわる過去の出来事で重要と思われる事を)、
医師がよほど信頼出来るまでは語らず、
信頼関係が出来ても患者からは語らない事が多い。
しかし、問えば、待っていたように語る事が多く、
そこに思いが及ぶかどうかを観察していたのではないかさえ思われる。"
アメリカでは、患者が語り出し、診断できるまでに数年かかるといわれているみたいです。それほど、自分にまつわる重要な事を他の人に語るという事は、難しく、時間がかかる事なんだなと、感じました。
だから、皆さんも焦らずいきましょう。
つづく。