Sweet-pea’s diaryー大人になった先天性心疾患のブログー

大人になった先天性心疾患を持つ私が、あの頃(16~20歳頃)見つけたかったブログを書いています。どなたかの参考になりますように。PC版カテゴリのはじめにからご覧ください♬

人にたよるという事〜先天性心疾患と恋愛②〜

こんにちは。

今日は、前回に引き続き、過去の恋愛を思い出しながら、

"自分の病気をどんなタイミングでどう伝えていたのか。"

について書いていきます。今日思い出すのは、

私が初めてこころの底から本気のほんきで好きになった I君のお話。

 

Ⅰ君  高3(めちゃ好きだった人)

 

 高校3年生の時に出会った人です。

 

この頃は、多少の運動制限や不便さは感じつつも、それなりの生活が送れていました。病気のこと以外にも、家庭事情の色々があり、少し大変な時期でした。でも、学校生活は楽しかったので、いつも笑っていたように思います。

 

この頃の私は、まだ人に頼る事が下手でした。どう頼ったらいいのかも分かりません。悲劇のヒロインぶっちゃいけないし、誰に気付かれなくても、誉められなくても頑張っていようと、あの手術以来、心のどこかで決めていて。

(何でだろう・・・。病気に負けたくなかったのかな。そうする事で自分を保ってたのかもしれないし、その方がカッコいいかなって思っていたのかもしれません。)

病気や手術の事、声が出しづらい事、家庭の事、深刻な話を自分から友達にする事はあまりなかったと思います。異性ならなおさら。

 

しかし、向こうからその色々に気づいて手を差し伸べてくれたのがI 君でした。

 

I 君は高3になって初めて同じクラスになった人。最初の頃はほとんど話した事がなかったのですが、何かがきっかけで少し話すようになり、そこから急激に距離が近づきます。

 

ある日の放課後。だったかな…。教室で時間を潰している私の元にI 君が通りかかります。一言、二言たわいもない会話をした後、私の正面に座り、真面目な顔で、私の目をジッと見つめてきたI君。

 

「何か隠している気がする。何か人に話してない事ある?」

 

と言ってきました。もしかしたら、私の親友Sと仲良かったI 君は、「◯◯も色々と抱えてるみたいだよ〜」とか聞いていたのかな。そうでなければ、I 君の第6感はすごいです。I 君は真面目な話をする時、人の目をジッと見つめます。私はその目が好きでした。

 

「何か人に話してない事ある?」

 

と聞かれた私は、それまでまとっていたシールドを一気にはがし、

先天性心疾患で手術をした事、

家の事。

一気に話しました。

 

まさに、 

"患者からは語らない事が多い。しかし、問えば、待っていたように語る事が多い。" 

という状況です。本当は誰かに全部聞いてもらいたかったのかもしれません。

 

「自分が経験してきたおおまかな事を、笑顔でサラッと話す。」

ことは、仲の良い女友達には多少していましたが、

「真面目な顔でしっかりと語る。」

のは、この時が初めてだったと思います。

 

I 君との距離はぐっと近くなりました。少し前まで他人のような存在だったのに、一気に1番隣にいてほしい存在になりました。

 

全部話すという事は、どう受け取られるのか、たくさんの勇気が必要です。

しかし、それで返ってくる、それで得られる、

"あたたかさ" や"安心感" みたいなものは、

何にも代えがたいものでした。

 

"自分の事を知ってくれている人がいるというぬくもりと安心感。"

 

その後紆余曲折ありつつも、私達は付き合う事になりました。

モノクロだった世界が、一気にカラーになったような感覚を今でも覚えています。

平気なふりをして背負っていた荷物に、あと少しで、つぶされていたかもしれないこの時の私は、I 君に救われました。

 

その後交際は順調に・・・

と言いたいところですが、頼る・頼られる というバランスが、未熟な2人には上手くいかず、いや、ただ単に私の魅力が足りなかっただけかな。

高校卒業式の後、私達は別れました。

 

人生で一番の、大失恋でした。

一気に世界がモノクロに逆戻りです。

悲しさのレベルを例えるならば、

2回の手術が失敗した事より、身体の真ん中に手術の傷跡がついた事より、

声が出なくなった事より、悲しかった(笑)

 

それでも、"人に頼るあたたかさ"

を教えてくれたI君との出会いには、感謝しかありません。

"1人になる寂しさ" も学びました。その両方が分かったから、

人に頼るって大事な事なんだなと気づいたのだと思います。

 

今、幸せに暮らしているのは、ちょっぴり I 君のおかげでもあるのです。

 

I 君に伝えた事あったかな。

あの頃の私を救ってくれて、ありがと~。

 

 

~まとめ~

 

I 君には、好きになる前の友達の段階で、自分の病気の事を話ました。

自ら話し出したのではなく、相手から聞いてくれたから、話し出す事が出来ました。

そして、初めて自分の病気や家にまつわる事を話せた異性の相手。好きになったことは自然な事だったのかもしれません。

 

この時の私のように、"ただの友達" 相手よりも、"好きな人" や、"付き合い始めた彼氏" に、自分の病気の事を話す方が難しいですよね。受け入れてもらえるだろうか、離れて行ったらどうしよう。といった不安も大きくて、話し出す勇気もより必要になってくると思います。自分の病気の事を上手く説明できない。という人は、いきなり好きな人で試さなくても、同性の友達、恋愛感情を持っていない異性の友達、自分が信頼できる身近な人に先に話してみる事もひとつの手かもしれません。

「話して、受け入れてもらえた。」という経験は自信につながるし、

「病気のこと話してもいいんだ。」と思える自分になれるかもしれません。

 

 

読んで下さってありがとうございました。

 

つづく。