Sweet-pea’s diaryー大人になった先天性心疾患のブログー

大人になった先天性心疾患を持つ私が、あの頃(16~20歳頃)見つけたかったブログを書いています。どなたかの参考になりますように。PC版カテゴリのはじめにからご覧ください♬

ある女の子のお話

あるところに女の子がいました。

その子は、綺麗で大きなお家に住んでいて、

お父さんと、お母さんと、

おばあちゃんと、お兄さんが2人、

沢山の家族にかこまれて幸せに暮らしていました。

 

ある日、

お空の上から宇宙船がやってきて、

その宇宙船から、まばゆい光が、

女の子めがけてふりそそぎました。

すると、女の子の声が、

突然出なくなりました。

小さな、

聞こえるか、聞こえないかの、

か細い声だけが残され、

大きくて元気いっぱいな声は、

宇宙船にとられてしまったのです。

 

別の日。

お空の上からまた宇宙船がやってきて、

目がくらむほどの明るい光が、

女の子めがけてふりそそぎました。

あまりにまぶしかったので、

女の子はぎゅっと目をつぶりました。

明るい光が消え去って、

女の子が目を開けると、

女の子が生まれ育った、綺麗で大きなお家が、

無くなっていました。

宇宙船にとられてしまったのです。

仕方が無いので、

女の子とその家族たちは、

小さくて古ぼけたお家に引っ越しました。

 

別の日。

お空の上からまたまた宇宙船がやってきて、

その宇宙船から出た光が、

女の子めがけて、

ゆっくりと降りてきました。

女の子は、こんどは捕まってたまるか。

と必死でかけだしました。

しかし、光から逃げ切ることは出来ず、

女の子は目を開けてはいられない程の、

まばゆい光に包まれます。

宇宙船が過ぎ去り、

女の子がごくりと息をのみながら、

ゆっくり目を開けると、

お父さんと、お母さんと、

お兄ちゃん2人の姿が、消え去りました。

大切な家族を、宇宙人に、

とられてしまったのです。

女の子は、おばあちゃんと2人で、

ちいさくて古ぼけたお家で暮らしました。

 

それからは、もう、

宇宙船が女の子の前に現れることは、

ありませんでした。

 

女の子は、それから、

今を一生懸命生きました。

自分にはもう、

とられるような物は、

何も残っていないから。

 

"正しいと、思ったことだけを

ほんとうと、思ったことだけを

美しいと、思ったことだけを"

 

自分の中に残しておけるように。

 

声が出なければ、

周りの人の話をよく聞いてあげればいい。

 

小さなお家で、おばあちゃんを大切に、

暮らしていけばいい。

 

家族が近くにいないなら、

友達や知り合った人たちを、

家族の様に大切にすればいい。

 

やがて、女の子は大人になり、

優しくて、聞き上手で、

誰からも慕われて。

たくさんの、かけがえのない、

仲間たちに恵まれました。

 

ある日、

女の子のおばあちゃんは、

死にました。

 

その夜、

お空の上から宇宙船がやってきて、

その宇宙船から、

キラキラと、今まで見た中で、

一番輝いている光が、

女の子に降り注ぎました。

柔らかくて、暖かくて、

優しい光に包まれた女の子は、

ゆっくりと、目を閉じ、耳をすませました。

 

『ワレワレ ハ ウチュウジン ダヨ。

チキュウ ノ ヒトビト ハ

カンチガイ シテル。ワレワレ ハ

ナニカヲ ウバッタリ シテナイ ヨ。

ワレワレ ハ タイセツ ナ モノ ヲ 

プレゼント シテル。 ヨク ガンバッタ ネ。

オバアチャンハ、ウチュウ カラ ズット

キミ ヲ   ミマモッテ イル ヨ。』

 

女の子が目を開けると、

そこには、綺麗で大きなお家と

大切な家族がいました。

 

女の子は、綺麗なお家で、

大切な家族と、

自分を支えてくれる、

かけがえのない仲間たちと、

 

死ぬまで幸せに暮らしました。

 

 

おしまい。

 

引用文献:1)まど・みちお詩集宇宙の日

⇨ " " 内引用

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 参考文献:2)挿絵作家morita MiW×楠橋紋織 のハンドタオル

⇨『』内参考。

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 お誕生日プレゼント、ありがとう、S ♬