Sweet-pea’s diaryー大人になった先天性心疾患のブログー

大人になった先天性心疾患を持つ私が、あの頃(16~20歳頃)見つけたかったブログを書いています。どなたかの参考になりますように。PC版カテゴリのはじめにからご覧ください♬

過保護と必要保護⑯~まとめ その2~

 ②親主体の保護・管理から自分主体になる過程

 先天性の病気の子供は、最初に病気の説明や、治療方針などを説明されるのは、本人ではなくご両親です。そこから、治療方針を決定したり、同意書にサインしたり、まだ判断できないお子さんに代わって、医師の説明を聞き、ご両親が決断していきます。

 

しかし、子供も成長します。

最終的には、

自分で自分の病気の事、身体の事を理解して、

周りの人に説明することができて、

自分に必要な事(日常生活・投薬・通院など)を自分で管理できるようにならなくてはなりません。

 

ある時から急に出来るようになる訳ではないので、スモールステップで少しずつ、親から子へ伝えていってあげてほしいなと思います。

 

また、子供自らが、自分の病気の事、まだ記憶がない頃に受けた手術の事、色々気になりだす時期がくると思います。そんな時、その子の話をじっくり聞いてあげて、出来る限り真摯に質問に答えてあげてほしいなと思います。自分から気になりだした頃が、産まれた時にどんな状況で、どんな手術をしてきたのか、説明してあげるちょうど良い時期なのかなとも思います。

 

私の場合は小学校入学くらいが、親主体の保護から1歩踏み出し始める時でした。そこから、少しずつ、自分の身体の事を知っていきます。

中学生になると、再手術をした事もあり、自分と周囲の人との違いやハンデみたいなものを、はっきりと認識するようになります。親からの保護も以前より嫌がる様になりました。時に病気をネガティブにとらえる事もありました。思春期なので色々悩みます。でも、この経験も必要でした。

高校生くらいになると、自分の身体の事がだいたい分かってきます。自分と他者との間に親が介入することはなくなりました。病院での先生とのやりとりも1人で出来るようになり、概ね親主体の管理から、自分主体の管理に移行していたと思います。進路や恋愛で悩む時期でもありました。

社会人になると、自分の体力と仕事について悩みます。でも、他人と比べての自分ではなく、自分らしさや自分にしか出来ない事もあるという事に気づく時期でもありました。完全に親離れしたのは、前回のブログに書いたあの一件(親離れと子離れ)を経験して、実家を出てからであると思います。

もちろん、その後も、子育てを手伝ってもらったり、なんだかんだで色々と助けてもらっています。だから、本当に親離れできているのかは分かりません笑。

 

私の場合は、こんな感じで、少しずつ自立していったのかなと思います。

人それぞれなので、お子さんに合ったスピードで進んでいってもらえたらいいなと思います。

 

また、成長するにつれ、好奇心ややってみたいという気持が出現し、多少の無茶をする時期もあります。命に関わるような無茶は危険ですが、可能な限り見守ってほしいなと思います。成長のチャンスだから。

そうはいっても心配だとは思います。命にかかわるような絶対にやってはいけないことがあれば、この時期に再度しっかりと確認しておいたほうがいいかもしれません。

その上で、少し大目にみてやってほしいなと思います。この、ちょっと無理をしてやってみたり、やらなかったり、という経験を何度か重ねるなかで、自分の体力だったり、どこまでがしてもいい無理で、どこからが頑張りすぎで休んだほうがいいところなのか。"無理をしない程度に頑張る”という一番難しい課題を学んでいくのだと思います。これは、本人にしか分からないし、自分の経験を通してでしか、学べないことだと思います。

私は今でも、日々、トライアンドエラーです。

 

【あの頃の私がしてもらいたかった事】

 

今までのブログに書いた事ですが、再度箇条書きにしてみます。

 

〇病気のリスクの把握

  ⇩

 子供の成長する力・自立心の芽生えに気づいてあげる

  ⇩

 家族以外の他者の支援を信じる

  ⇩

 時に保護の手をそっと緩め、外の世界へ背中を押してあげる

※例え失敗しても多くの事を学べる

※時に無理しすぎていないかは気にしてあげてほしい。

 

〇家庭以外の場所、学校などに信頼できる人、分かってくれる人を作っておく。

(担任・保健室の先生・スクールカウンセラー・医師など)

 

 

〇どこまで守ってあげるのか・どのように守ってあげるのか、どこから自立を促すのか。正解がない分大変。それを判断するサインみたいなものを、子供がだしているかもしれない。それは見つけてあげてほしい。

 

〇 子供はどんな環境でも自分自身で成長する力を持っている。

しかし、その手助けはしてほしい、

無理をしていないか確認してほしい。

そばでずっと見ていてほしい。

頑張っている分、辛いときは無理せずに甘えていいことを教えてあげてほしい。

その時の感情を言葉にだして、その時に発散させてあげてほしい。

 

〇それには自分の絶対的な味方が必要。それが親である必要はなくて、外部にそういう話が出来る大人がいるといい。頼れる大人もいるという事を、世界には優しさや愛があることを伝えてあげてほしい。いくらでも、周りの世界や健康な人に対して卑屈(必要以上に自己評価を低くしていまう状態)になれる要素はあるから、1人味方がいるだけで世界は変わると思う。

 

〇人生大変なこともあるけれど、大変な中でもささいなことやくだらない事でほっこりしたり、笑える時間があることは幸せなんだと思う。そんな日常を大切にしてほしい。

 

つづく