Sweet-pea’s diaryー大人になった先天性心疾患のブログー

大人になった先天性心疾患を持つ私が、あの頃(16~20歳頃)見つけたかったブログを書いています。どなたかの参考になりますように。PC版カテゴリのはじめにからご覧ください♬

過保護と必要保護⑧〜中学生編その2〜

前回に引き続き、中学生時代を振り返ってみます。

 

○入院中のエピソード

  ベッド上での生活が退屈になっていた頃、母にCDが聞きたいとお願いしました。『じゃあ、お父さんに買ってきてもらおうか』、と父に連絡する母。私と母が想像していたのは、円板状の持ち運び出来る、ポータブルCDプレイヤーです。今ではほとんど見かけませんね。MDが流行る前、外で音楽を聴くのにもっていたあれです。

(MDも知らない人いたらどうしよう笑)

 

父は、その日か翌日くらいに、すぐに買ってきてくれて、当時流行っていた、宇多田ヒカルの “FirstLove” のアルバムと一緒に届けてくれました。でも、父が買って来たのは、大きなCDラジカセ。家で普通に使うやつです。

『個室でもないのに大きいの置いていいの笑!?』

と母と笑ったの覚えています。

メタリックピンク色でとても可愛い女の子らしいラジカセで、

父が娘を喜ばせようと探してくれた気持ちが伝わり、すごく嬉しかったです。

他にも、小さなテディベアのぬいぐるみや、りぼん、なかよしなどの漫画、小説、などなど、入院が長引くにつれベッド周りが豊かになっていきました。

 

人工血管置換術を終えICUでの思い出。

人工呼吸器を外されて、最初の数日。私のサチュレーションは常に80%台で、とにかく息が苦しくて苦しくて、誰が面会にきても構う余裕もなく、意識が薄れる中、必死で息を吸う。という状態でした。そんな時、母は、ずっと隣に居てくれて、静かにうちわで私の頬をゆっくりゆっくりとあおぎ続けてくれました。苦しい状況のなか、その心地よい風が唯一の救いで、その風の感覚を今でも覚えています。

 

さて、真面目な思い出の後ですが、どうでもいい思い出を1つ書きますね。

 

父の漫画や小説の差し入れの話。

 父は漫画は全く読まない人で、多分表紙の絵とかで女の子っぽい本を選んで買って来ていたのだと思います。内容まで検閲していなかったのです。父が持ってきてくれた漫画の中には、たまにちょっとHな内容の漫画が紛れていて、私は小学校を卒業したばかりの真面目な女の子だったので、衝撃を受けました笑。この事は、未だに父は知らないと思います。小児科病棟の大部屋、比較的年齢が高い子供(中学から高校生)が集められる部屋にいたので、すぐに、お姉さん達にとられて、回し読みされていました。そして、夜、消灯後に、皆でその話題で盛り上がってなかなか寝ないものだから、看護師さんに怒らました。随分、お姉さん達にワルイ事を教えてもらった気がします。身体的に余裕があった時の、楽しい思い出です。私が、大人の心臓血管外科病棟に移された後も、そのお姉さんは、自分が退院する日に顔を見せてくれて、頑張れ。と応援してくれた優しいお姉さんです。皆さん、差し入れの本の内容は確認しましょう。

 

振り返って思うこと

 

入院は苦しくてつらい事が多いです。

 

しかし、その中で与えられる、両親や、看護師さんや、先生や、清掃のおばさんなど、様々な人から受けた優しい行為、優しい言葉かけは今でもよく覚えています。

 

沢山の方の愛情に守られて乗り越えていけたんだと思います。

 

大人になってから、当時の事を思い出した時、大抵辛かった思い出から先に思い出すのですが、その後に、こういったあたたかい思い出や、くすっと笑えるエピソードが、出てきてくれる。これって結構救われます。

 

人生大変な事もあるけど、大変な最中でも、ささいな事やくだらない事で、ほっこりしたり、笑えたりする瞬間がある。一瞬でもそういう気持ちになれるということは、どんなに大変な時期でも幸せだなと私は思います。