Sweet-pea’s diaryー大人になった先天性心疾患のブログー

大人になった先天性心疾患を持つ私が、あの頃(16~20歳頃)見つけたかったブログを書いています。どなたかの参考になりますように。PC版カテゴリのはじめにからご覧ください♬

友達 ① /ちっち

今日は、いつか書こう書こうと思っていた、小児科病棟で出会った4人のお友達との思い出を書いていきます。大切な思い出。入院生活の中でも、楽しい思い出。もう20年以上も前の話で、皆んなが今どこで何をしているのかも分からないのですが、今でも皆んなの名前と顔と、病棟で過ごした時間は、はっきりと覚えています。

 

中学1年生の夏のことでした。(と、小説風に初めてみる。)

私は大学病院の小児科に入院しました。私は、その前年、小学6年生の冬にも入院をしたので、物心ついてからの入院は2回目でした。今日は、そこで出会った同室の友人達との思い出を書いていきます。私が入院したのは、1度目も2度目も同じ病室で、それは、ナースステーションから1番離れた所ある、小児科の中でも、比較的年齢が高い子供達(小学高学年から高校生まで)が集められている大部屋でした。「○っちゃーーん!○っちゃんだ!」と、病棟に入ってすぐ、笑顔で話しかけてくれた女の子は、「ちっち」というあだ名の、私より2.3歳年下の小学生の女の子でした。ちっちは、長い事入院している女の子で、この小児科病棟の主みたいな存在でした。(本人は、主という感じは全く醸し出してなく、実際の年齢よりも少し幼く見える可愛らしい女の子でした。)小児科の病棟に入る時は、どんな子達がいるのだろう。と少しの緊張がありますが、ちっちが話しかけてくれたおかげで、病棟に入ってすぐに安心する事ができました。ちっちとの出会いは、前年冬の入院の時でした。入院した初日の、夕食と面会時間が終わり、母が帰った後、この時私は自分のベッド周りのカーテンをひいていましたが、隣のベッドから子供達が集まって何やら楽しそうにしている声が聞こえて来ました。私はしばらく迷いましたが、勇気を出して、カーテンを開けて覗いてみることにしました。そこには3-4人の子供と、1人のお姉さんが、楽しそうに千羽鶴を折っていました。すぐに、お姉さんが、私に気づき、「おいでおいで!一緒にやろう!」と手招きをしてくれました。それが、ちっちと初めて遊んだきっかけでした。入院して、初めて他のお友達と交流をもったきっかけでもありました。後から分かったのですが、このお姉さんは、大学病院の医学生で、時々こうして夕食後、面会の時間が終わり、子供だけになった消灯前の病室に来てくれて、おしゃべりをしながら一緒に遊んでくれました。この時、お姉さんとちっち達は千羽鶴を折っていて、牛乳パックで作られた、正方形のいくつかのケースに、完成した鶴を、色別に入れる作業をしながら、あれやこれやと会話を楽しんでいました。そこに新入りの私も入れてもらったというわけです。この千羽鶴は、皆が自分たちへ向けて折っていた千羽鶴で、それぞれがどんな病気を抱えているのかは、お互いに知らないし、詮索もしませんが、そんな友達たちと皆で作っていた千羽鶴です。完成させる事、誰かにあげる事が目的なのではなく、入院生活の中で、こうやって皆んなで集まって、仲良くおしゃべりをしながら折紙を折る。この時間が私たちにとって、入院生活の楽しい思い出となり、大切で素敵な時間だったように思います。世界一素敵な千羽鶴だったのかも。私は、この千羽鶴が完成する頃には退院していましたが、ちっちはその後も入院し続け、外泊などでお家に帰ることはあったようですが、翌年の夏も、再び入院する私を変わらぬ笑顔で迎え入れてくれたのでした。知っているお友達がいた事で私はどれだけほっとした事でしょう。ちっちはいつも、本人は意識していないようですが、入院してきた子供が、病棟の他の子供達の中に馴染むきっかけを与えてくれる女の子でした。そして、お友達が退院する時には、いつも笑顔で病棟の入り口まで見送ってくれました。きっと誰よりも、他の子供たちが元気に退院していく姿を見送ってきたのだと思うと、少し胸が痛くなりました。ちっちは、1度だけ泣いている姿を見た事がありますが、1度だけで、あとはいつも笑顔でした。