Sweet-pea’s diaryー大人になった先天性心疾患のブログー

大人になった先天性心疾患を持つ私が、あの頃(16~20歳頃)見つけたかったブログを書いています。どなたかの参考になりますように。PC版カテゴリのはじめにからご覧ください♬

手紙

先日、母から懐かしい手紙を受けとりました。

『〇〇〇さんお元気ですか?やさしいお手紙ありがとう。先生は、とてもりっぱなお手紙がかけるようになった〇〇〇さんにびっくりしました。元気にしておりますから、安心してください。

〜中略〜

もうすぐ3年生ですね。これからも元気で、おべんきょうお母様のおてつだいたくさんしてくださいね。かぜひかないようにね。』

 

27年前の今頃、阪神淡路大震災に被災された先生に書いた手紙のお返事です。先生は、最初の執刀医で、生後9日目と1歳の時に私の心臓の手術をしてくれました。祖母いわく、〇っちゃんのハートを最初に見た先生、だそうです。その後先生は、東京から関西の病院へと移られました。私は、手紙を書いたことも、先生の顔も、声も、面影すらも、覚えていませんでした。けれどこの手紙から、27年の時を経て、先生を少し知れた気がして、先生と少しだけ繋がれた気がして、嬉しくなりました。先生のお手紙は、小学低学年の子供でも読めるように、簡単な漢字以外はすべてひらがなで書いてありました。文面からも優しく穏やかな先生だったのかなと想像が膨みます。

 

とても大きな地震だったそうです。シャンデリアがぐらぐら揺れ、お部屋の本が全て本棚から落ち、花瓶やお人形もひっくり返ったそうです。ほんの30秒くらいのことだったけれど、とてもとてもこわい思いをしたそうです。でも、先生のお家は倒れなかったそうです。娘さんの大学の被害は壊滅的でしばらく休校になり、娘さんは、被災地や学校でボランティア活動をしていたそうです。

 

そんな事が書いてありました。手紙を読んだ後に、母に35年前のことを改めて聞きました。私の手術をした先生がどんな先生だったのか教えてくれました。胸の傷、背中の傷、足の付け根の傷、幼き時についた3つの手術痕を眺めながら、「あぁこの傷をつけてくれた(命をつなげてくれた)先生はこんなに温かい先生だったんだな」と手術痕に新しい愛着が芽生えた、令和4年1月17日の夜でした。

ずっと残り続ける手紙って良いものですね。

 

おしまい。