Sweet-pea’s diaryー大人になった先天性心疾患のブログー

大人になった先天性心疾患を持つ私が、あの頃(16~20歳頃)見つけたかったブログを書いています。どなたかの参考になりますように。PC版カテゴリのはじめにからご覧ください♬

2つの思い

子供が欲しいと思った時、子への遺伝について考えたことは以前お話しした通りです。もし、心疾患が遺伝したとしても、それは不幸な事ではないし、健康な子が産まれようが、病気の子が産まれようが、変わらぬ姿勢で迎えようと思っていました。それは、自分の存在を肯定する事でもあったのだと思います。

 

ただ、不思議なのはこの思いはこの思いで、出産まで変わらなかったのですが、この思いとは別の所に違う思いも出てきました。それは、お腹が膨らんできて、お腹の中で子供が動くようになってから、徐々にでしょうか。「どうか、元気な身体で生まれますように。」という、普通のお母さんだったら当たり前かもしれないけど、そんな思いもまた出始めました。

 

「心疾患で生まれてきたとしても幸せになれるよ。私が一番の理解者になってあげる。」

という思いと、

「どうか、元気な体で生まれてきますように。」

という思い。

妊娠中の私は、この両者の思いが混在していたと思います。

 

そして、出産後、その小さな身体を目の前にした時、後者の思いはより強くなりました。この子に、手術や注射、痛い・辛い思いをさせたくない。心臓がどうか元気なままでいますように。と心から願いました。「病気を持って生まれてきてもいいよ。」と思っていたのに。

 

おそらく、私の中には、

先天性心疾患当事者である自分の思いと、

母親となった自分の純粋な思いが、

同時に存在していたんだと思います。

 

病気を持って生まれ生きていく人生を可哀想な人生だと思わないで欲しい。病気と共に生きていく自分の人生を肯定してもらいたい。病気がある事を不幸な事だと思わないで欲しい。という思いと、この小さな小さな我が子に、痛い・辛い思いを、可哀想な思いをさせたくない。という思い。

 

相反するような2つの思いですが、どちらも私の本当の思いでした。

 

おしまい。