前回からのつづき。
『それ、おかしくない?』
「いや、でも・・しょうがない・・です。サボりだろうが、風邪だろうが、手術だろうが、授業を受けなかったって事実は同じだし・・。臨床に出たら(現場で働き始めたら)、休むっていう事は、患者さんに迷惑をかけてしまう事。それと、良いPTになる為の知識や技術を学ぶ為には、授業はしっかりと出席して真剣に取り組む。そういう意味合いが欠席点にはあるって聞いたし、責任感とかそういう意識を、学生のうちから身につけるために、欠席点を高く設定してるって、ある先生から聞きました。だから、仕方がないです。」
『そうかなぁ~。手術を受けた事で、テストでちゃんと点数がとれたり、実技のテストも合格してるのに減点されるのは、おかしいよなぁ。だって、〇〇はさ、PTになる為に手術を受ける事を決めたんでしょ?良いPTになる為の授業を受けない事に対してとか、患者さんに迷惑をかけてしまう事に対しての減点なら、やっぱり、おかしいよね。授業を "受けない" んじゃなくて、"受けれない" んだもんね。それに、良いPTになる事を目標に、将来、声の事で患者さんに迷惑をかけない様に、手術を受けるんでしょ?授業に出なくても、その分ちゃんと、お前は頑張るんだろうし。』
「そうですけど。そう言ってくれるのは嬉しいですけど。ルールはルールだし・・・。」
『俺、職員会議で言ってみるよ!こういう生徒がいます。って。より良い理学療法士になろうと、前向きに頑張ってる生徒を減点する理由ありますか?って。』
「え!?良いんですか・・・?」
『いいよいいよ〜あはは〜。あっ、でも、変わらなかったらゴメンね(笑)』
そして、数日後のある授業にて、
『今期から、事前に正当な理由で欠席届が出ている場合のみ、欠席点はつけません。』
1番厳しいで有名だった先生の授業でも、
『え〜、今までは欠席点はどんな理由があろうとも-10点としてきましたが、今日から、事前に届けがしっかりと出されてる場合のみ、-5点とします。』
ルールが変わりました。
たった1人の私の為に、ルールが変わりました。
(もしかしたら何かの事情があって、同じ様に悩んでいる生徒もいたのかもしれませんが・・・)
少数派の私の目線を、多数派に声をあげて説明してくれた恩師のおかげで、
その声を聞き入れてくれた先生達のおかげで、
ルールが私に歩み寄ってくれました。
頑張りが、ちゃんとした形で報われるように行動してくれた恩師の存在と、
それを受け入れてくれて、陰ながら応援してくれている先生達の存在に、
私の心は、はげまされ、あったかくなり、がんばる勇気を貰えました。
世の中報われない事が多いけれど、
なかなか分かって貰えない事も多いけれど、
いつか、分かってくれる人が現れて、
報われる日が来るんだな。
なんて、思い出を振り返りながら、思いました。
おしまい。