こんにちは。
今日は、雨と風で寒かったですね。午前の訪問を終える頃には、防水のはずの手袋もビチャビチャになり、午後は手が凍る思いでバイクに乗っていました。さすがに、今日みたいな日は疲れたな。今週訪問をしたある方は、週2回通っているデイサービスが自主休業する事になったそうです。入浴が出来なくなる事や、デイサービスの送迎車に乗るまでの、玄関から表道路までの10段の階段昇降。週2回の日課で、なんとかやっとこ昇り降り出来るくらいの筋力だから、1ヶ月もやらなかったら、もう出来なくなってしまうんじゃないか。と不安をもらしていました。幸い?訪問リハを併用していたから、そこは私がフォロー出来るんだけど、全ての福祉サービスが停止になったら、結構困る人多そうですね。アイデアを出しあって、なんとか工夫していかないと。その人その人で、どんな事が困るのかって、案外聞いてみなきゃ分からないのかも。今日は、そんなお話。
前回からの続きを書いて行きます。
理学療法学科は2クラスあって、学校は4年間通います。
途中クラス替えもあるのですが、私は4年間ずっと先生のクラスでした。
先生があえてそうしてくれていたのは薄々気付いていましたが、卒業後に聞いてみると、
「お前は俺が最後までみたかったから、ずっと俺のクラス。」
と笑いながら言っていました。
入試の面接であの質問を投げかけてくれた先生の真剣さを感じました。
卒業して理学療法士になる最後まで、一緒に悩んで、時にはアドバイスをくれて。
始めから終わりまで責任を持って私をサポートしてくれました。
病気の事をちゃんと話せる大人に初めて出会えた。
これは、医療系の学校に入って良かった点でもありました。
医療の知識があって、リハビリという観点で人を観れる、理学療法士の先生が担任だったから、私は初めて言語が通じる、大人の人に出会ったような感覚でした。分かってもらえるし、分かろうとしてくれる。嬉しかったな。
それまでの学校の先生方は、“心臓の手術をした子”という目線で、「無理はしなくていい」「いじめられてないか?」など、心配はしてくれましたが、どこか1方向的で。(医療の知識も無いから難しいところではあるとは思いますが・・・。)
「何が困ってる?」って私から話させてくれるような質問は、案外聞かれた事ありませんでした。双方向の会話は大事ですよね。
先生との初めての面談では、
「先天性心疾患って言ってたけど、何て病名だったっけ?」
「○○は、何歳の時に手術をしたの?」
「今薬とか飲んでるの?」
「どういう手術だったの?」
「心臓の手術はさ、怖いリスクの話ばっかりされるから、手術の前夜とか、怖かったでしょ?」
「後遺症的な、今も不自由してる事もあるの?」
と、色々な質問をしてくれました。
当たり前のような質問だけど、案外、それまで学校の先生に、こんな質問をされてこなかった私には新鮮で、「先天性心疾患の女の子」という、その詳細を、その背景を知ろうとしてくれている事が嬉しかったです。それらの質問は、私を知ろうとしてくれる質問。病気の一般的な知識だけでなく、私の感情や、感覚、普段の生活で抱えている大変さ。それらを、出来る限り理解して、これから、理学療法士になるまで、実技や実習、
『様々な壁を、ハンデと上手くつき合いながら、どう乗り越えていこうかという前向きな戦略会議。』
先生との面談は、いつもそんな感じでした。
(この戦略会議、結構1人で抱えている方多いんじゃないかな・・・。)
私が、病気にまつわる具体的な相談が出来る、初めての大人が先生でした。
だから、恩師だと思っています。
大事なのは、病名じゃなくて、
本人が、どんな場面で、どんな事に困っていて、どんな思いを抱えているか。
という所なのかもしれません。
もちろん、病気の特性や、気をつけた方がよい事。の知識は大切です。
しかし、病名にとらわれすぎず、
その1歩先に、その子自身がいるので、
それを観てあげて欲しいなと思います。
案外、本人に聞いてみなきゃ気づけない、日々の困りごとってあるんだと思います。
『その人その人で、どんな事が困るのかって、案外聞いてみなきゃ分からないのかも。』
という最初の話しと上手く繋がったところで(笑)、今日はお終いにします。
つづく。