Sweet-pea’s diaryー大人になった先天性心疾患のブログー

大人になった先天性心疾患を持つ私が、あの頃(16~20歳頃)見つけたかったブログを書いています。どなたかの参考になりますように。PC版カテゴリのはじめにからご覧ください♬

コロナでにじみ出た優しさ。

2020年4月8日(水)

 

今日は午前中に病院を2件はしごしました。

そこで、2人の人からあたたかい言葉をかけてもたったので、その嬉しかった事を書いてみます。

 

1件目☆療育センター、児童精神科の受診にて 

今日は、親だけの受診で、息子の最近の近況を伝えたり、薬の量などを調整してもらいました。診察を終えて、玄関に向かって廊下を歩いていると、教室の入り口に、満面の笑顔の女性が立っていました。彼女は、療育センターに来た皆の手をめがけ、アルコールスプレーをプッシュしまくっていて。忙しさを感じさせない明るい表情をしていた彼女は、とても忙しそうで。私は、去年までお世話になった通園クラスのT先生だとすぐに気づいたけど、頑張っている先生の手をとめたら悪かろうと思い、心の中で挨拶をして、その場を立ち去ろうとしました。

すると、

 

「○○くんのお母さん!」

と、遠くから大きな声で呼んでくれて、先生から私の方に駆け寄って来てくれました。

「大変な事になっちゃったね!○○君も、お母さんも大丈夫?」

「お母さんちょっと痩せたんじゃない?お仕事に育児に頑張りすぎてない?」

「お母さんは、本当感染しないように気をつけてね!」(私が喘息持ちだと知っている。)

「お互い気をつけて頑張ろうね。」

 

と、ほんの数秒の会話だったけど、私はとても良い気分になりました。

こういう場面で、わざざわ話しかけてくれるって、本当に心が優しいんだな。

こういのを『思いやり』っていうんだろうな。

と思いました。

 

そして、その足でむかった2件目の病院は・・・、

 

近所の小児科クリニック。 

こちらは、息子や私が風邪をひいた時にお世話になっている、我が家のかかりつけ医。こんな状況なので、息子の喘息の予防薬を少し多めに処方してもらえますか?と、受付で質問すると、「確認するので、座ってお待ち下さい。」と言われました。しばらくして、忙しい先生に代わって出てきてくれたのは、看護師さん。

 

「先生に確認して、今回は大丈夫だそうです。」

 

「ねぇ、お母さんのお仕事は、在宅勤務とか出来てるの?」

『あっ、私、訪問看護ステーションに勤めているので在宅勤務はちょっと難しくて・・・』

「え〜!?看護師さんだったの?(なら早く言ってよ〜!的なびっくりした笑顔)カッコいー!」

『いやいやいや(笑)リハビリです。理学療法士。カッコいいほどのものではないです』

 

と。そんな会話をして、診察室に戻って行く看護師さん。

診察室のドアに手をかけたくらいで、背をむけていた看護師さんは、くるりと私の方に振り返ってこちらに戻ってきて。まっすぐ私の目を見ながら、こう言いました。

 

「お母さん。お母さんは、本当に感染しないように、気をつけてね。」

 

分かってると思うけどね~♪って感じの笑顔で、それじゃあまた。って診察に戻って行きました。

 

この看護師さんはね、

昔、小児科の病棟で働いていて。先天性心疾患の子供達を沢山診ていたんだって。去年、高熱が出た時に、心臓の事もあるから念のため。と心電図検査をしてもらって、その時に立ち合ってくれたのが、この看護師さんだったんです。

心電図の電極をポチポチ貼りながら、

「病院にいた頃は、心疾患の子供達を沢山見ていたけど。退院後の成長は見れないから・・。こんなに大人になった人に会えるの、なんだか、不思議な気持ちです。頑張ってきたんですね。」

って話をしてくれたんです。

 

だから、きっと、私の事を心配して、優しい言葉をかけてくれたんだろうな。半日で、2回も。多分、心からの思いやりの言葉をかけてもらって。

 

本当に暖かい。

 

経験したことのない、この世界全土の非常事態に、テレビをつければ、

国や政府の対応に対する不満、批判。

自粛しない若者への批判。

いやいや中高年だって。という反論。

買い占め。行列。

コロナによる夫婦喧嘩での暴行死。

 

終わり見えない、姿も見えない敵に、不安や苛立ちで、ピリピリしちゃうし、

自分さえよければ。自分の家族さえよければ。

そういう "殺伐とした人間達の嫌な部分" がコロナによって炙り出されてしまいます。

 

でも、コロナによってにじみ出てくる、

 

"人の善の部分。他人を思いやる気持ち。優しい気持ち。"

 

そんなのも、あるんだなって感じた1日でした。

 

本当はまだまだこんなエピソードは沢山あって、職種がら色々な方とお話するけど、皆、別れ際になると、自分の事でなく、私を気遣ってくれる暖かい言葉をかけてくれる。多分こういうのは、いちいちTVのニュースにはならないけど、世の中にたくさんあって。

 

こんな時だから、助け合おうと、支え合おうとする、人の優しさって尊いな。

 

誰かを気遣う暖かい気持ちで、こんなにも頑張る勇気をもらえるんですね。たった一言でいいから、相手を思いやる言葉をかけ合えれば、この世界は平和になるかもしれません。世界の日常は変わってしまったけど、私達は、真剣に命と向き合わされ、コロナによって、本当に大切な事はなにか。という問いを突き付けられている気がします。それによって失われる代償が大きすぎますが・・・。

 

コロナが終息した後の世界は、どんな世界になるんだろうな。

 

私も、皆の優しさを見習おう。

 

おしまい。