息子の歯科治療への道のりの続きです。
虫歯を発見してから、早2ヶ月。まだ治療には至れていませんが、虫歯治療のゴールに向けて、少しずつ前進しています。
そして、今週の受診。
この日から、歯科衛生士さんの予約枠ではなく、先生の診察の予約枠での受診です。
名前が呼ばれて診察室に入る息子。
「今日は男の先生なの?僕あっちの先生がいいんだよなぁ(歯科衛生士のお姉さん)」
と言いながらも、1人で診察室に入る息子。
ここからは、私も音声のみしか分かりませんが、
先生は、息子がまだバキューム(歯科治療中に口内の唾液を吸い取る機械)を使えない事が分かると、あっさりと、歯科衛生士さんにバトンタッチ。
「バキュームが使えないと治療には入れないから、まずバキューム使えるようにしといて。」
と、さらっと歯科衛生士さんに無茶振りする先生笑。
歯科衛生士さんの腕の見せ所?です。
内心、苦労をかけて申し訳ない気持ちでいっぱいのママです。
バキュームは音もするし、吸い取られる感じが怖いのか、いつにも増して、不安でいっぱいの息子。治療を拒否してる声が聞こえてきます。
それでも、歯科衛生士さんは工夫をして、
まずバキュームの機械を息子に持たせてあげて、紙コップの水を吸い取らせてあげる遊びから始めます。
遊びながら、息子に、色んな質問をして、
「この機械は何のための道具だと思う?」
とか、
「そうだね、水を吸い取る道具だねー。じゃあ歯医者さんで、これをどんな時に使うのかな?」
「◯◯くんのお口の中にあるお水ってなぁに?」
「そうだね。つばだよね〜。」
と言った具合で、鮮やかに、息子にバキュームという道具の必要性を教えます。
「じゃあ、自分のお手手を吸ってごらんよ。」
機械を自分の手に当ててみる息子。
「ほら掃除機みたいで面白いでしょ〜。痛くはないのよ〜。」
バキュームで遊んで機械に慣れる。
バキュームが水やよだれを吸う機械だと分かる。
バキュームでお手手を吸ってみる。
ここまでが今日の息子の限界でした。
「じゃあ今度はお口の中のよだれ、吸ってみてもいい?」
「ほっぺたをチュっと吸ってみるだけでもいいよ?」
と歯科衛生士さんが提案しますが、徐々に笑顔も無くなり、拒否が強くなってきた息子。結局、この日は一度もお口を開けることが出来ず、お終いとなりました。
受付にいた先生が、
「お母さん、今日はちょっと、あんまり甘やかさないで、次に繋げてみよう。大変なの分かるけど。それで、明日も連れてきてもらって、2日連続でやって、明日出来るようになったら、すごく褒めてあげて!」
と私に声をかけます。
診察室から出てきた息子。
ママは中の様子を何も知らないと思ってるのか、「僕、頑張って全部やったから、トミカ買って!!」と。
「全部聞こえてたよ〜。今日は、全然お口開いてなかったじゃん。明日また、先生が見てくれるから、トミカは明日ちゃんと出来たらね。」
と私。
ここで、息子。キレました笑。
歯医者さんに行ったら何かを買ってもらえると思っていた息子。今日はバキュームが怖くて嫌だった息子。怖くて、先生の言うことを聞けなかったし、トミカも買って貰えないなんて。
と言ったところでしょうか。
もう、この日の癇癪ときたら。
完全にパニック状態で、
周りを破壊しつくすゴジラかのごとく、
近づいた人(ママ)を叩く、蹴る、噛む、つばを吐く、物を投げる、物を倒す。
周りの人に迷惑がかかってしまうし、油断したら他の患者さんの私物を投げるかもしれないし、テレビの画面を壊すかもしれない。
必死で抱き抱えて引きずって、とりあえず、待合室とは扉1つ区切られた下駄箱がある玄関まで息子を連れて行きます。
それにしても、5歳になると身体も大きいし力も強いし、大暴れする息子を私1人で止めるのは結構難しくて、
「落ち着こう。大丈夫だから、落ち着くの。」
と声かけをしながら、息子を抑えます。それでも、私の手を振りはらって、下駄箱をひっくり返したり、丸椅子を投げたり。
ヤバイです笑。
他の歯医者だったら、確実に次から出禁です笑。
ここで、何と、この空間で唯一の男性である先生が、診察を中断して助けに来てくれました。
暴れる息子を後ろから抱きしめるように捕まえ、持ち上げて、
「落ち着こう。落ち着いて。」
と、私と同じ様に声かけしてくれます。やはり男性の力だと、暴れる息子もひょいと抱えあげられるんですね。頼もしい。
「もう、ママなんて嫌いだ!ママなんて死んじゃえ!あっち行け!!」
と、身体を拘束されて暴れられなくなった変わりに、息子は、暴言を吐きまくります。
「お母さん、良いよ。一回帰っちゃって。預かるから。」
と先生。私は、息子に、
「本当に良いのね?ママ帰っちゃうよ。」と確認してから、歯医者さんを後にします。
もちろん、帰った振りです。
歯医者さんを出てすぐの道路に待機です。
携帯で、歯医者さんの受付に電話して、外にいる旨を伝え様子を聞くと、ママが居なくなってからは、暴れるのは落ち着いて、玄関の所の椅子に座って電車図鑑を見ながらクールダウンしている。受付のお姉さんも隣に居てくれているから大丈夫ですよ。と。
でも、今落ち着いてきた所だから、あと5分10分してから、迎えにきた方がいいかも。
5分後、歯科衛生士さんが私のところに来て、
もう落ち着いてお話も出来てるから大丈夫ですよ〜。と。
そして、迎えに行く私。
私の顔を見ると、
「ママ、落ち着いたから何か買って〜」と。
離れたところから、先生が、
「◯◯くん、明日も歯医者さんに来て、明日ちゃんと出来たら買って貰いなよ!」と。
私も、「そうだね。明日頑張ったら、好きなもの買いに行こう!」と。
そして、まさかの、
癇癪2回目。
今度は、私が抱き抱えて、息子を抑えます。
「じゃあ、もう一回診察室入って、やってみる?」と先生。
ここからも、
やる!やらない!を何度も繰り返して、
最終的に、ママの抱っこでやる!
と息子。
ママに抱っこされながら、
バキュームでほっぺたを吸ってもらう息子。
ほっぺたを吸われて、
笑い出す息子。
ちょっと恥ずかしそうな照れ笑いを浮かべながら、
「全然怖くなかった…テヘッ。」と一言。
先生も私も、その場にいた他の患者さんも、ズッコケそうになりました笑。
あれだけ、暴れといて…。
お口の中もやってみる!と
自分からお口を開けて、お口の中の唾液も、
ジュッと1吸い。
出来た。とニヤニヤ照れ笑いを続ける息子。
あー、良かった。なんとか落ち着けて。
それに、最後に癇癪を起こしただけの収穫があって。これだけ暴れて、何も出来ないで帰るのと、最終的にうまく出来て帰るのとでは、私のストレス度も変わってきます。
最後に、その場に居合わせた他の患者さん達、1人1人に頭を下げて。結構混んでいたから、皆んな診察時間押しちゃったし、中には自分の治療中にもかかわらず、「私の事は良いから、お母さん手伝ってあげて」と言ってくれた、患者さんもいて。きっと、先生の人柄が、患者さん達にも広がって、優しさに溢れた空間が出来上がってるのかな。
1人1人に頭を下げたのは、子供の代わりに謝るのが親としての役割だと思ったのもそうだけど、ごめんなさい。の謝罪の気持ちだけじゃなくて、ありがとうの感謝の気持ちも伝えたくて。皆さんに頭を下げました。
「いいよいいよ。お母さん、頑張ってね!」
とこっちが謝らなきゃいけないのに、何だか逆に励まされてしまいました。
この日は、息子も流石に疲れたのか、
夕飯を食べ終わった後に、もう眠ーいと。
早々と寝てくれました。
私は、仕事に育児に、自分ばかりが大変だと思っていたけど、毎日、あんな癇癪を起こしちゃうほど、やりたくない事に向き合わされる息子も、大変だよね。
翌日、
「今日も仕事終わったら歯医者かぁー、そして、明日はインフルエンザの予防接種か…。次から次へと、、やってらんねーな。」
と朝イチに思っちゃたのは内緒にしておこう笑。
おしまい。