Sweet-pea’s diaryー大人になった先天性心疾患のブログー

大人になった先天性心疾患を持つ私が、あの頃(16~20歳頃)見つけたかったブログを書いています。どなたかの参考になりますように。PC版カテゴリのはじめにからご覧ください♬

自分を知るということ

先日、患者さんから、

「〇〇さんは、自分の事ちゃんと知っていますか?」

と、突然聞かれました。

 

ドキッとする質問です。

私がどう答えたかは、さておき。「自分の事を100%知っています!」と、

胸をはって言える人ってどれくらいいるのでしょうか。

 

他人の事は、姿形、表情、外見、目で確認することが出来るけど、

自分の事は、鏡をのぞかない限り見れないですね。

自分の外見については、もしかしたら自分より、毎日自分を眺めている家族の方が知っているかもしれません。心の中の内面も含めてきたら、自分をどのくらい知っているかと聞かれると、とても難しいです。

 

私は、フィジカル(身体・肉体・物理的)の専門家なので、

患者さんを受け持った時に、まずはその人を知るために様々な評価をします。

筋肉の強さはどうか、筋肉の状態はどうか(硬い・緩い・むくんでいる・・など)、関節の柔軟性はどうか、どんな姿勢をしているのか、バランス能力はどうか。

そういった色々な評価が出来てくると、

なぜ立てないのか、なぜ歩けないのか、なぜ特定の部位に痛みが出てしまうのか。

その人が困っている事の原因が少しずつ観えてきます。答えは全部、その人自身が持っています。ただ、自分では、自分の身体の事ってよく分からなかったりするから、私はそれを知るためお手伝いをさせて頂きます。

 

患者さんによって、年齢や、認知機能の状態、性格や心の特性(理論的に頭で理解したいタイプなのか、感覚的に身体で体験した方が理解しやすいタイプなのか、病気をどのように捉えているのか、などなど)によって、説明の仕方は工夫しますが、

仮に、しっかり認知機能が保たれている方の場合、

この、

"自分の身体の状態をしっかり理解する"

という作業を丁寧にやっていく事で、その方に様々な変化が現れます。

 

もちろん、リハビリの本番は、その後に、それをどう改善させていくか。

という所なのですが。不思議と、自分の身体の状態の理解がしっかりと出来てくると、皆さん、表情がよくなる。安心したような、ホッとしたような。そして、納得してその後のリハビリに取り組んで頂ける。

 

何が言いたいのかというと、

 

『自分の事を知る』ってとても大事な事なのかもなぁ。という事。

『自分の事を知る』って、簡単なようで、難しくて。

1人では出来ない作業なのかもしれないなぁ。という事。

 

私は、自分の病気について、積極的に調べたり、詳しく知りたくなったのは、

高校を卒業する辺りからでしょうか。最初は一般的な病気の知識から。

そこから、理学療法士になって、細かい筋肉の状態や骨格の問題、運動面に関わる色々な事が日々分かってきて。おそらく、今が一番、自分の身体をよく知っているし、良く使えています。でも、自分の心の事はまだまだ分からないから、それについては、今取り組んでいるし、きっと身体の事を何年もかけて知っていった様に、時間をかけて少しずつ理解が深まっていくのかなと思います。

 

自分の病気の事。

自分の身体の事。

自分の心の事。

 

大人になっていく先天性心疾患の方達も、少しずつ知っていけるといいのかなぁ。

と思います。

 

ちなみに・・・。

19歳の頃の私が、自分の病気について質問した文章がそっくりそのままネットに残っていました。私の場合、20歳前後の頃に、こんな事を考え始めていました。何かの参考になるかな。。

大動脈弓離断症について - 日本成人先天性心疾患学会

 

 

おしまい。