今日は、久しぶりに映画館に行きました。
『マチネの終わりに』が映画館で公開される。という知らせを聞いた時、私は、3年ほど前に読んだ原作の小説を思い出しました。(平野啓一郎さん著 マチネの終わりに)
原作の小説は、今まで読んだ本の中でも、特に素晴らしいと思った本でした。でも、何に感動したのか、どんな内容だったのか、少しも思い出せません・・。
私は、良い作品はどんどん上書きされてしまうタイプで、原作の小説は、本当に良かったという感覚はしっかりと残っているのに、内容を思い出せないなんて・・・。
自分が自分で信じられないです(笑)
なので、映画はとても楽しみでした。
内容は全然覚えていないけど、とにかく、何だかすごく印象的な小説だったから。
『マチネの終わりに』
この映画は、福山雅治演じるクラシックギタリストの牧野聡史と、石田ゆり子演じるジャーナリストの小峰洋子の6年の歳月を描いた大人の恋愛映画です。ラブストーリーではありますが、その背景に、最初から最後まで描こうとしている、あるテーマがあります。
「そうそう。これが、私が小説を読んだ後、すごく印象に残った理由だったんだ 」
と、映画を観ながら思い出しました。
そのテーマにまつわる、2つのシーンを書いていきます。
もう、忘れないように♡
物語全体のネタバレにはならないように書きますが、
一部ネタバレありです。心配な方はこの先はご遠慮下さいね。
祖母の葬儀の為、日本に戻って来たという洋子。
共通の知人を通じて知り合った2人が、初めて会話をするシーン。
洋子「祖母は、庭でつまずいて転倒した際に、目の前にあった大きな岩に、頭を打ち付けたの。その大きな岩は、私が小さい時から庭にあって。子供の頃の私は、その岩を机に見立てて、おままごとをしていたわ。まさか、おばあちゃんの命を奪うとも知らずにね。」
牧野「つまり、こういう事?その岩で遊んだ幼少期の楽しかった思い出を、今までのように幸せな記憶として心の中に置いてはおけなくなった・・・。」
その後洋子は、ジャーナリストとして訪れていたパリで、テロの現場に遭遇してしまいます。洋子の目の前で死んでしまった同僚。沢山の人が、恐怖や、悲しみや、絶望に包まれる中、洋子はスマホを片手に必死で動画を撮影します。
最後に、自分の顔を映して、自身の恐怖や悲しみと闘いながら、こう言います。
「今、私が伝えたいのは、過去は変えられるという事。
私達は、今日の出来事を変える未来を作らなけばなりません。」
そう、この映画の恋愛の背景にあるテーマは、おそらく、
"過去は未来によって変わっていく" という事。
ね。ブログを読んで下さっている皆さまはお気づきかもしれませんが、
なんだか、今の私にはタイムリーなテーマなのです。
それが、クラシックギターの美しい旋律と、
3人目の女によって捻じ曲げられてしまう2人の運命と、
すれ違った2人がそれぞれ進む人生と、
再び交わる線と。
恋愛映画としても、とても、とても、素敵な映画でした。
途中、感動して涙がこぼれました。
今年、何度も言っているセリフな気もしますが、
最近観た映画で、圧倒的に、好きな映画となりました。
きっと、この先も、何度も見る事になるでしょう。
あっ、観た映画の内容を数年ですぐに忘れちゃう問題の対策として、
「今までみた映画で一番好きかもっ!」
と思った時にだけ、パンフレットを購入する事にしました。
ちょっと出費だけど、感動を何度も思い出せるからプライスレスですね♬
おしまい。