Sweet-pea’s diaryー大人になった先天性心疾患のブログー

大人になった先天性心疾患を持つ私が、あの頃(16~20歳頃)見つけたかったブログを書いています。どなたかの参考になりますように。PC版カテゴリのはじめにからご覧ください♬

手術の傷跡⑦~大人編(温泉と恋愛と)~

久しぶりに続きを書いていきます。

 

前回まではこちら。

手術の傷跡  

手術の傷跡②~小学生・中学生編~

手術の傷跡③~高校生編 書き出し~

手術の傷跡④ 〜高校生編〜

手術の傷跡⑤〜高校生編 おきなわ〜

 

中学の手術から、大人になる手前まで、手術の傷跡を気にして私が回避していた事は主に2つあります。

 

①温泉旅行

②プールや海水浴

 

学生時代は、そういうシュチュエーションに身をおかないように、事前に回避してきました。

 

でも、ある時から、どうやったらプールや海や温泉を楽しめるのかなとか、やってみたいな。という気持ちを、少しずつ大事にしてみようと思えるようになってきました。

 

その過程を今日は書いてみようと思います。

 

まず、身体の傷跡の自分の捉え方について・・

〇手術直後は傷も生々しいため、普通に目立つので、気になっていました。

〇思春期というお年頃もまた、より気にする要因であったと思います。

〇年齢と共に、自然に、徐々に、周りからの目線は思春期ほどは気にしなくなってきます。おばさんになっていく。とも言うかもしれません(笑)

〇その間の部分に、少し深くかかわってきたのは、恋愛だと思います。

 

その辺りの話から、書いてみますね。

 

自分の身体に何個も傷があるという事。

やっぱり、若い頃は、考えます。

 

いつか、この傷を誰かに見せる事になった時、受け入れられるのかな。とか。

相手の負担になるんじゃないかな。重くないかな。気を遣わせないかな。とか、

男の人はもっとキレイな身体の女の人の方がいいんじゃないかな。とか。

 

悩む度合いは人それぞれで、私は深く悩んで恋愛に距離をとるタイプではなかったですが、

 

いや、というよりは、悩んでいても好きな人は出来るし、好きな人が出来れば自然にのめりこんで、その間も悩むんだけど、

 

大抵は相手の人はその事で引いたりはしなかったです。

 

もし仮に、引くような人であれば、そこから先好きにはならないでしょう。

 

ただ、相手から引かれた経験はありませんが、

相手を大事に思いすぎて、もっと健康な人と幸せになった方がいいんじゃないか、と思う事はありました。そういう、自己犠牲的な年代もありました笑。

 

先天性心疾患と恋愛と。

色々悩む事は多いかと思いますが、 

 

今だから言える事かもしれないけど、

絶対に大丈夫。

ちゃんと好きになった人同士であれば、

ちゃんと受け入れてもらえるし、

長い間悩んでいたのがなんだったのかなと思うほど、

その人の前では傷を全く気にしないでいられるようになります。

 

事実、先天性心疾患を持って大人になった人で結婚できている人は多いのです。

昔読んだことがある文献?によると、一般の人よりむしろ、大人になった先天性心疾患の人達の結婚率は高かったんですって。

 

なんだか嬉しい事ですよね。

 

もちろん、今は多様性が認められる世の中で、女性でも、男性でも、いろんな生き方があるので、結婚が全てではありません。

 

でも、傷がある事で、病気がある事で、恋愛が全く遠いものなっていたり、その先の結婚が難しいものだと思っている方には、この事が少しでも励みになるといいなと思います。

 

話をもどします。

 

恋愛をして、

彼氏が出来て、

自分が受け入れられる。

 

という経験は、自分の自己肯定感みたいなもににもつながって、

自分の傷も含め全部を知っていて受け入れてくれる人が、目の前に1人いる。

という事実が、言葉ではうまく表現できませんが、私の中では大きなコトでした。

 

別に、異性じゃなくても、親友でも、家族でも、どんな相手でも、そういう大切な存在が、自分を強くしてくれる事ってある気がします。

 

今の夫と知り合ったのは20歳の時でした。

初めて2人で旅行したのは、熱海でした。

渋いですね笑。

 

宿は2人で決めました。

こじんまりした所で、家族風呂みたいなのがある所です。まだ、公衆の温泉に入る勇気は無かったのですが、家族風呂ならと決めました。家族風呂とは、時間で予約して、その時間は貸切で家族で入れるようになっている温泉です。

 

それまでは、温泉旅行。なんて自分には縁のないものだと遠ざけていました。女友達から誘われても理由をつけて断ってたかな。だから、久しぶりに(中学以前は家族や友達と入れてました)入る温泉は、とっても開放的で気持ちよかったですし、お風呂上がりの浴衣とか、浴衣のまま食べる夕飯とか、何もかもが新鮮でした。

 

今まで、こんな幸せな楽しみを知らずに過ごしていたんだなぁ。とほんわか思って、新しい世界を少しずつ広げていこう。と思ったきっかけでした。

 

"温泉旅行"

というワードは、私の中で警戒するワードから、

頑張ったご褒美的な、幸せなワードに、

変わっていきました。

 

それから、徐々に、

家族風呂⇨人がいない時間を狙っての温泉⇨知り合いがいなければ、まぁ何時でもいいかな。

 

という感じで、温泉を楽しめるようになっていきました。人がいない時間というのは、深夜とか早朝とか。宿だと大体どの時間でも入れるので、混まそうな時間を狙って入るところから始めました。でも1人ー2人は居たりするので、いいリハビリです。そのうち、気にせず入りたい時間に入りに行けるようになりました。

 

社会人になる頃には、さらに慣れてきて、お休みの日などに近所の海が見える温泉に1人で行っていました。あれほど嫌だった温泉を気分転換に使えるようになりました。

 

今では全く傷を気にしないかと言われると、そういう訳ではないですし、

温泉入ってリラックスしている時も、どこか意識したりはしていると思います。

 

でも、全く傷を気にしなくならなくても、

完全に傷を受容できなくても、

良いんだと思います。

 

それでも、何かのきっかけで、一生自分には出来ないと思っていた事が、ポンっと出来る様になる時がおとずれる事もあるんだと私は思います。

 

一気にそこまで到達するのは不可能だったかもしれないけれど。

私の場合は、

1人に傷を見せれるようになった事をきっかけに、

 スモールステップで、出来そうな所から少しずつ試してみて、

 そのうち感覚的に慣れてきて、

 

 ここまでこれたのかなと思います。

 

 

つづく。