Sweet-pea’s diaryー大人になった先天性心疾患のブログー

大人になった先天性心疾患を持つ私が、あの頃(16~20歳頃)見つけたかったブログを書いています。どなたかの参考になりますように。PC版カテゴリのはじめにからご覧ください♬

手術の傷跡⑥〜私と水着とプールと授業と〜

こんにちは。

今回は、テーマを絞って書いていきます。

テーマは『私と水着とプールと授業と』

ほんとのテーマはハンディキャップ。社会的な不利。

 

中学生編、高校生編であまり触れませんでしたが、

この時期の学校のプールは全て見学していました。

小学生までは普通に入っていましたし、泳げない私は、夏休みに小学校のプールで開かれる特別水泳教室にも申し込んで参加したりしていました。

結局、今も泳げないんですけどね笑。

 

中学、高校でプールに入らなかったのは体力的な事と、水着を着るのが嫌だったから。

先天性心疾患の方は、同じく傷が気になって・・という方や、不整脈があって、や、呼吸状態が、とか色々な事情で入りたくても入れない方は一定数いるようです。

 

中学時代は、手術直後だったので、

見学していてもあえて私に理由を聞いてくる先生はあまり居ませんでした。

でも、見学者って、体調不良でない限り、見学中に急にモップとか渡されてプールサイドを掃除しろ。とか言われるんですよね。(私の中学の場合ですが。)

入らないなら掃除って、なんか罰ゲームみたいで嫌でした。

入れるものなら入りたいのに。

生理の子だって、楽したくて見学してる訳ではないのに、掃除ってね。

体育の授業なのに掃除関係ないじゃん笑。と思います。

 

そんな事を素直にやっていても、プールの期間が入る2学期の成績は、5段階中どう頑張っても良くて3、筆記テストなどで点取れなければ下手すりゃ2。

体育は実技だから、見学が多くなると、4とか5とかの成績は絶対つきません。

ちなみに、私は、体育の筆記テストで100点に近い点数をとりましたが、それでもその時についた成績は3でした笑。

 

その時は、そういうものだと思っていたし、

仕方ない事なんだと思っていた気がします。

 

でも、体育の成績があと1段階よかったら、もう一つ偏差値の高い学校も選択肢に入っていたかもしれない。当時の公立高校の受験は、中学校の成績と、当日の試験の点数で合否が決まります。担任の先生から、

「惜しいなー、体育が5じゃなくてもせめて4だったら、○○高校も進められるんだけど。」

と言われた事もあります。

どんなに頑張っても4とか5つけてくれないのは学校なのに。

でも、学校の偏差値のレベル?で人生が変わるなんて思っていなかったし、

学校の成績やテストの点数にとらわれて自分の価値を決めるなんて、かっこ悪いと思っていて、カッコつけてました笑。

 

高校では、授業の時にプールに入れなかった人の救済措置として、夏の終わりくらいに1週間ほど補修授業期間がありました。放課後だったかな、プールが解放されて、休んだ分 ×◯ 往復分プールを往復すれば、授業に参加したのと同じ扱いにしてくれます。生理がある女子や、急な体調不良などでプールに入れなかった人が不利にならないよう、考えられていたんだと思います。

しかし、それも参加出来ない人は、レポートを提出します。内容は水泳に関する事ならなんでも。レポートを出せば、単位をくれるという救済処置です。

 

私はレポートを提出しました。でも、どんなにいいレポートを提出しようが、水着を着てプールに入った人よりいい成績がつく事はありません。10段階中5くらいかな。

 

当たり前だよね。皆と同じような事してない訳だから。

参加してないのに半分の5はくれるんだから、良い方か。

夏の時期の体育だけ、低くなっちゃうのは、仕方ない。

と思っていました。

そう思うしかなかったのかもしれません。

 

でも、

当たり前だと思ってはいけなかった。

仕方ないとあきらめずに、私はどう頑張っても5までしかつきませんか?と

一言、体育の先生に聞いてみるべきでした。

(実際は子供自身がこんな行動するのは難しいから、気付いた大人がしてあげるべきだけど。)

レポートはしっかり書いている訳だから、レポートの出来具合で、10段階で評価して、皆と同じように、1~10の中から評価されるべきでした。

1~5の中からしか評価されないという事は、病気による社会的不利でした。

 

繰り返しますが、

どんなに頑張っても、病気がある事で、健康な友達が取れる成績は自分には絶対につかない。同じ土俵で戦えない。

これは、おかしいことだと思います。

  

 当時の私は、そういうもの、仕方がない事、と思ってどこかであきらめていたし、

前回書いた、中学生編、高校生編で、この話題をスルーしてしまった事は、

私はもう学生じゃないから、関係のない過去の事で、わざわざ書かなくてもいいかなと思ってしまったんだと思います。

 

ごめんね。〇〇〇さん。

これだから、世の中は変わらないんだよね。

ちゃんと、おかしいって声をあげなかったから、

病気があっても、ちゃんと頑張ったら健康な人と同じ様に評価されなきゃやってらんないよ!ってあの時言わなかったから、

 

だから20年近くたった今でも、

同じ事が行われていて、

同じように苦しんでいる子がいる。

 

とても、悲しく申し訳ない気持ちになりました。

 

大人がどうにかしてあげなければ、

当事者の子供が声をあげるなんて、そんなの中々出来ません。

先生達はその事に気づいてないだけかもしれません。

ハンディキャップを持つ子供達の抱える、

このおかしさとか、不平等さに。

 

今もなお、夏になると、

『この時期が来てしまった、私は受験生だけど、どう頑張ってもプールには入れないから、成績下がっちゃう』

と悩んでいる子がいます。

 

その子は中学3年生の女の子で、女の子っていうのは失礼なくらい、礼儀正しくて、しっかりとした文章を書ける方で。こんな状況の中、テストやレポートなど色々工夫して出来る事を頑張っています。そして、大人になったら、この体験を生かしてなにか出来ることを探したい。と言っています。

 

ほんとは、大人になる前に、

今すぐどうにかしてあげたいな。

何も出来なくてごめんね。

 

せめて、私が今出来る事として、私の体験と、今現在悩んでいる〇〇〇さんの事を、ブログに書くことで、1人でも多くの方にこの状況を知ってもらおうと思いました。

 

このブログを書くにあたって、〇〇〇さんに、ブログでどこまであなたの事を書いてもいいかな?と相談したところ、

「私としては、いろいろな人がこのことについて少しでも考えてもらえる機会になってほしいと思います。」と、私にどんな文章になってもよいと任せてくれました。

 

私と、彼女の共通の思いは、

1人でも多くの人が、まずはこの事を知ってくれたら嬉しいね。それが、世の中が変わる小さなきっかけになれば。

という思いです。

 

仕方ない事。と放っておいたら、

きっと、10年後も、20年後も、

同じ事で悩み、あきらめる子供達が出てきます。

 

これを読んでくれた、大人の皆さんへ。

 

どんなお子さんも社会的な不利益を受けることない世の中になるよう、

今出来ることをしてほしいなと思います。

子供の声を、どこかに伝えてあげる、

そして、少しでも何かが変わることを祈って、

学校や先生と建設的な話し合いをしてみる。

病気を持って大人になった皆さんは、自分が体験した事を、病気を持って困ったことや、辛かった事を、体験したことない人に話してみる。

健康な人たちは悪気があるわけでなく、私たちの声を知らないだけかもしれない。

〇〇〇さんのような方が、病気を持っていても笑って過ごせるような社会になってほしいな。と思います。

 

病気をもつ若者の方へ

あなたが、大人になった時、あなたがされて嫌だったこと、

苦しかったことを、子供達や周りの人にしないで下さい。

もし、あなたが教師になったなら、そういった制度をおかしいと言ってください。

もし、あなたが看護師さんになったなら、病気になった本人にしか分からない気持ちを、少しでも理解して寄り添ってあげて下さい。

もし、結婚して主婦になったら、周りの色々な個性を持つ子供達に優しくいて下さい。

今悩んでいる事、苦しんでいる事、1人で抱えないで、出来るれば周りの大人に話してみて下さい。私はとても応援しているし、他にも応援している人は沢山いると思います。

 

そうしたら、少しずつ、世の中は変わると思うのです。

 

 

 

ちょっと強い文章になってしまいましたが・・・、

最後まで読んで下さった皆さん、 ありがとうございます!

 

おしまい。