レントゲン室の前についた。
ここだけ、大人の人と一緒の部屋なんだよな。
名前を呼ばれて、まず通されるのは小さな小部屋。鍵を閉めて、上半身裸になって、
「準備出来ましたら、中にどーぞー」という、先生の合図を待つ。
検査室に入ると、レントゲンの機械がある。その奥には、ガラス張りの部屋があって、ここで機械を操作するんだ。
「2枚とるからね。まずは、ここに立って、顎を乗せてね。少し高さを調節するね。」
ウィーン。機械音とともに私の顎が少し高い位置に持ち上げられる。
「両手は、肘を曲げて、ここに置いててね。」
「そう。では、そのままの格好でいて下さいね」
先生はそう言うと、奥のガラスばりの部屋にサッと戻る。
「息を吸って、、、」
「止めて下さい」
(毎年思う。マイク越しに聞こえる先生の声は、さっきまで話していた声色より、よそゆきの声で、テレビでニュースを読んでいる人みたいになるんだ。何故だろう。)
ガチャ。
はい、楽にして良いですよー。今度は横向きなってね。私は、先生の指示か聞こえるより先に、右方向に横を向き、両手で万歳をして、上にあるバーを握る。いつもこの流れだもんね。子供だけどもう、慣れっこだよ。
「息を吸って、、、」
「止めて下さい」
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「はい!おしまいでーす。今日はこれでお終いなので、着替えて、お母さんとこれを受付に出しに行ってね。」
やっと終わった。
母「お疲れ様。じゃあ、お会計に紙だけ出して、先にご飯食べに行こうか!」
私「うん。お腹ぺこぺこだよ。やっぱりペスカトーレにしよ!!」
母「好きだねー。いつもペスカトーレだよね笑」
つづく・・・