薄暗い廊下の先に、子供専用の心電図室がある。
ここは、旧館って所で建物が古いんだって。
なんだか不気味な雰囲気だけど、心電図室の前につけば安心。扉にはミッキーとミニーの可愛い絵がはってある。このミッキーを見るとホッとするんだ。
「◯◯◯ ◯◯◯ちゃーん、どうぞー」
「上半身裸になって、ここによこになってね。」
カチャ、カチャ、カチャ、カチャ。
先生は、私の手首と足首に、大きな洗濯バサミみたいなもを手早くつける。
「ちょっと冷たいよー」
続いて、ぺとっ、ぺとっと、胸のあたりに、吸盤を付けていく。ひんやりと冷たい感触が、私は嫌いじゃない。壁には、名探偵コナンのパスターが貼ってあったり、部屋には動物のぬいぐるみや、キューピーやら、色々な子供のものが置いてある。
「じゃあ、少しこのままでいてねー」
ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ザーーーーー
壁のポスターを、ぼーっと眺める。
(このポスターも、ぬいぐるみもいつも変わらないなぁ。毎年変わらずここにあって、1年に1回しか来ない場所だけど、お家に帰ってきたのうな、ホッとするんような、不思議な感じがするんだよなぁー)
「はい、おしまいでーす。服着て、お母さんの所に戻ってね」
母:「どうだったー?」
私:「いつも通り」
母:「じゃあレントゲン撮って、ご飯食べに行こう」
私: 「お腹すいてきたねー。今日もペスカトーレにしようかな」
つづく。