Sweet-pea’s diaryー大人になった先天性心疾患のブログー

大人になった先天性心疾患を持つ私が、あの頃(16~20歳頃)見つけたかったブログを書いています。どなたかの参考になりますように。PC版カテゴリのはじめにからご覧ください♬

産まれた時の記憶と記録

少し、産まれた時の話をさせてください。

 

生後まもなく、自宅にて顔色が悪くなり、救急車で搬送される。

大動脈弓離断症・心室中隔欠損症と診断され、入院、手術。1度自宅退院し、少し体力がついたところで、1歳の時に、再び手術。後に、再手術となりますが、それはまた次の機会に・・・。病院には少なくとも年に1回は定期健診で通院しています。

 

このあたりの記憶は、もちろんありません。なにせ1歳ですから。

しかし、幼いころから、体には手術の傷跡があったので間違いなく手術をしたのでしょう笑。この傷跡と、母や祖父母、親戚など周りから聞いた内容が、自分の病識(自分の病気に対する知識、自分の身体がどうなっているのかの認識)となります。

 

ここが、後天性(生まれつきの病気じゃなく、成長する過程で発症した病気や障害)と先天性の大きな違いなのではないでしょうか。ある程度大人になってから病気になれば、直接お医者さんから説明を受け理解します。しかし、先天性の病気は生まれつきなので、病気の事や、手術の内容、日常生活で気を付けることなどの説明を最初に受けるのは、本人ではなく両親です。

 

もし、現在、先天性のご病気を持って産まれてきたお子さんを育てているお母さん、お父さん! 是非、お医者さんから説明された病気の事、手術の内容、実際に手術をしてどのような状況になったのか、などメモとして残しておいてあげて下さい。お子さんの一大事に、そんな余裕はないかもしれません。少し落ち着いてからでもいいのです。簡単なメモでも、手術の同意書を取って置くでも、手帳に日記をつけるでも、なんでもいいです。

 

将来子供は大きくなり、いつかきっと自分の身体の事、病気の事をもっと知りたい。と思うときがきます。その時の主治医に聞くこともできます。インターネットで調べることもできます。しかし、知りたいのは、一般的な病気の説明ではなく、その時自分に何が起こったのか、その時どんな説明を受けて手術をしたのか、自分の身体に残っている傷跡は、どこをどのように治療するためにできた跡なのか。自分の記憶からは消えてしまった当時の状況を知りたいのです。

 

私は、母や親戚から、当時の話を何度も聞きました。しかし、自分の事が本当に知りたくなってくるのは、手術から十何年もたった頃・・。母の記憶もうすれかけており、あいまいな部分もありました。そんな時、当時母が持ち歩いていたメモ帳の存在が、とても大きいものとなりました。母となった今、再度そのメモ帳を読むと、当時どれほどの支えの中で命をつないでもらったのか、そのメモ帳からとても温かいものを感じます。

 

未だにはっきりと分からないこともあります。例えば、わたしの右手首には、幼いころから、塞がりかけのピアスの穴くらい小さな穴が、ポチポチポチと4つ程あります。母いわく、んーーー、点滴の跡?かな。だそうです。

 

 このように、ささいな事が気になりだす年齢があるんです。私は、やはり思春期の頃だったかな。大人になった先天性の疾患を持つ皆さんは、どれくらい、自分の事を知っていますか?